モース顕微鏡手術の訴訟、6割以上が非専門医の施術

提供元:ケアネット

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公開日:2015/02/24

 

 米国・コネチカット大学のLogan S. D’Souza氏らは、モース顕微鏡手術(モース術)に関する訴訟について、オンラインデータベースを用い調査した。その結果、訴訟の多く(42件中26件)はモース術の非専門医に対する医療賠償請求であったことを明らかにした。結果を踏まえて著者は、「モース術の専門医と非専門医が密接に連携することが、双方のリスクを最小化し、より良好な患者ケアにつながる」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2015年2月4日号の掲載報告。

 研究グループは、モース術に関する医療賠償請求の特徴を明らかにする目的で、法的文書の全国データベースから検索語として「Mohs」および 「cancer」を含む訴訟文書を検索し、訴訟が起きた場所(州)、年、医師の専門、原告の訴え、判決などについて調査した。

 主な結果は以下のとおり。

・1989~2011年にモース術に関する医療賠償請求訴訟は、42件あった。
・うち26件は、モース術の非専門医に対するもので、原告の主な訴えは診断の遅延または不履行(16件)、美容上の問題(8件)、インフォームドコンセントの欠如(7件)、モース術専門医への紹介の遅延または不履行(6件)であった。
・16件はモース術専門医に対するもので、訴訟の主な原因は適切なインフォームドコンセントの欠如(5件)および美容上の問題(4件)であった。
・モース術専門医に対する訴訟では、原告の訴えが認められたのは1件のみであった。

(ケアネット)