難治性しゃっくり、抗精神病薬で治るのはなぜか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/03/26 しゃっくりは横隔膜のリズミカルな不随意運動であり、延髄や脊柱上の吃逆中枢の神経核機能阻害などさまざまな条件により引き起こされる。しゃっくりの病態に関与する神経伝達物質や受容体は十分に定義されていないが、ドパミンは重要な役割を果たすと考えられている。難治性のしゃっくりの治療には、クロルプロマジンや他の抗精神病薬が使用されることがあるが、その有効性は限られている。島根県・清和会西川病院の西川 正氏らは、難治性しゃっくり患者のエピソードを紹介した。Annals of general psychiatry誌オンライン版2015年3月5日号の報告。 本ケースレポートは、数週間または数ヵ月持続するストレス誘発性の難治性しゃっくりの2つのエピソードを経験した18歳の患者について報告するものである。 主な結果は以下のとおり。 ・どちらのエピソードでも、ハロペリドールを最初に使用したが、有意な効果は認められなかった。 ・対照的に、ドパミンとセロトニンに拮抗作用を有する第2世代抗精神病薬であるリスペリドンを使用すると、しゃっくりは6時間後に完全に止まった。 ・本ケースレポートは、1人の患者に対し2種類の抗精神病薬を使用し、薬物治療効果が明らかに異なった、数少ない症例報告の1つである。 結果を踏まえ、著者らは「しゃっくり症例の病態生理にはドパミン作動系に加え、セロトニン作動系が関与している可能性があり、リスペリドンのようなセロトニン作動性抗精神病薬を難治性しゃっくりの薬物治療選択肢として考慮すべきである」とまとめている。 関連医療ニュース 強迫的行動の抑制にセロトニン5-HT2Aが重要 パーキンソン病患者でみられる衝動性にセロトニンが関与か EPA、DHA、ビタミンDは脳にどのような影響を及ぼすか 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Nishikawa T, et al. Ann Gen Psychiatry. 2015 Mar 5;14:13. eCollection 2015. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 脳出血既往AFに対する脳梗塞予防、DOACは有用か?/Lancet(2025/03/07) GLP-1受容体作動薬、自殺リスクと関連せず/BMJ(2025/03/07) 活動性ループス腎炎に対する新しいタイプの抗CD20抗体の治療効果(解説:浦信行氏)(2025/03/07) 抗PD-L1抗体薬、GLP-1薬などに重大な副作用追加/厚労省(2025/03/07) 新規作用機序の潰瘍性大腸炎治療薬オザニモド、その特徴は?/BMS(2025/03/07) 治療抵抗性強迫症に対するSSRI+ブレクスピプラゾールの有用性(2025/03/07) 硬膜外ステロイド注射は慢性腰痛に効果あり?(2025/03/07) 日本人の4人に1人がコロナ陰謀論を信じている!?(2025/03/07) [ あわせて読みたい ] ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)