【日本発】FRAXの骨折予測精度を高める方法

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2015/03/26

 

 骨折リスク評価ツールFRAXは骨折リスクの評価に利用されているが、その精度は十分とはいえず、改善が望まれている。

 そこで近畿大学の伊木 雅之氏らは、12の地域に住む65歳以上の高齢日本人男性2,000人を対象に、FRAXを補完する手段として海綿骨スコア(TBS)が有用であるかどうかの調査を行った。

 その結果、TBSはFRAXと組み合わせることで予測精度を向上させる可能性が示唆された。Osteoporos Int誌 オンライン版2015年3月10日掲載の報告。

FRAXにTBSを組み合わせることにより予測精度に有意な改善
 FRAXを補完する手段としてTBSが有用であるかどうかの調査の、主な結果は以下のとおり。

・追跡可能な1,872人のうち22例に骨粗鬆症性骨折が認められた。
・骨粗鬆症性骨折がある群は、骨折がない群と比較して、
有意にTBSが低く(p=0.0015)FRAXスコアが高かった(p=0.0089)。
・統合判別改善度(IDI)、総再分類改善度(NRI)において、FRAXにTBSを組み合わせることにより予測精度に有意な改善がみられた。
(IDI:0.006[p=0.0362]、NRI:0.452[p=0.0351])

(ケアネット 有田 衣里)