真皮縫合、セットバック縫合vs. 垂直マットレス縫合

提供元:ケアネット

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公開日:2015/05/20

 

 セットバック縫合は真皮の剥離面から刺入し剥離面へ刺出する縫合法で、垂直マットレス縫合に代わる真皮縫合となり得ることが示唆されている。米国・カリフォルニア大学デイビス校のAudrey S. Wang氏らは無作為化盲検比較試験を行い、セットバック縫合が埋没垂直マットレス縫合より創縁の外反に優れ、縫合痕も美容的に良好であることを明らかにした。Journal of the American Academy of Dermatology誌2015年4月号の掲載報告。

 対象は、縫合創の長さが3cm以上と予測される楕円形の切開創ができる外科手術例46例である。切開創を半分に分け、一方をセットバック縫合、他方を垂直マットレス縫合にて閉創した。どちら側がどの縫合かは無作為割り付けとし、術者以外(患者および観察者)は盲検化された。

 術直後に創縁の最大外反高および幅を測定し、3ヵ月後に観察者2名が各瘢痕を7段階のリッカート瘢痕評価スケールを用いて評価するとともに、患者ならびに観察者が患者および観察者瘢痕評価スケール(POSAS)による評価(スコアは、6が正常な皮膚、60が最悪を表す)を行った。

主な結果は以下のとおり。

・42例が本研究を完遂した。
・創縁の外反は、セットバック縫合が統計学的に有意に高かった。
・リッカートスケールでは、セットバック縫合が垂直マットレス縫合より1ポイント高値であった。
・POSAS合計スコアは、患者および観察者のいずれもセットバック縫合が垂直マットレス縫合より有意に低かった(平均値は患者が13.0±8.7 vs. 16.2±12.0[p=0.039]、観察者が24.5 ±10.4 vs. 27.7±13.6[p=0.028])。

(ケアネット)