スマホアプリで日焼け予防!?

提供元:ケアネット

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公開日:2015/06/05

 

 スマートフォンではアプリケーション(スマホアプリ)を利用し、ユーザーに応じた健康情報を提供することができる。米国・Klein Buendel社のDavid B. Buller氏らは、リアルタイムで日焼け防止のアドバイスを配信するスマホアプリの有用性を評価する無作為化臨床試験を行った。その結果、スマホアプリの使用する人が予想より低かったものの日焼け防止策を実践する人は増えたことを報告した。著者は「太陽下にいる時間と場所に応じて個人的にアドバイスを提供することは、日光曝露の減少に役立つだろう」とまとめている。JAMA Dermatology誌2015年5月号の掲載報告。

 研究グループは、2012年7月に米国住民から成るオンライン調査パネル(Knowledge Panel)を用いて、試験に参加するAndroidスマートフォン所有者(非ヒスパニック系およびヒスパニック系の18歳以上の成人)を募集し、スマホアプリの情報を配信する介入群と配信しない対照群に無作為化した。

 スマホアプリで配信したのは、1時間ごとのUV指数予測値、スマホの位置・時間情報、およびユーザー個人の情報に基づいて、日焼け防止のアドバイスや警告(日焼けのリスク、日焼け防止策実践の推奨、日焼け止め再塗布までの時間、日陰に入ることなど)だった。

 評価項目は、過去3ヵ月における日焼け止め使用日数の割合、日中(午前10時から午後4時)に屋外で過ごした時間および日焼け回数などであった。

主な結果は以下のとおり。

・無作為化後の最終的な試験参加者は、計604例であった。
・介入群は対照群と比較して、屋外における日陰の利用が多かった(日中、屋外で日陰にいた日の割合;41.0% vs. 33.7%、p=0.03)。しかし、日焼け止めの使用は少なかった(使用した日の割合;28.6% vs. 34.5%、p=0.048)。
・介入群と対照群とで、過去3ヵ月に日焼けした回数に差はなかった(0.60 vs. 0.62、p=0.87)。
・介入群で、アプリを実際に使用した人は使用しなかった人に比べ、太陽下にいる時間が短く(太陽下にいる時間を最小にした日の割合:60.4% vs. 49.3%、p=0.04)、日焼け防止策を実践することが多かった(すべての日焼け防止策を行った日の割合;39.4% vs. 33.8%、p=0.04)

(ケアネット)