近年、低レベルレーザー療法(LLLT)の臨床応用が進んでいる。中国・Asia Medical Pain CentreのDavid Ip氏らは、椎間板起因の腰痛患者を対象にLLLTの臨床的有用性を検討し、有効性は90%以上で、その効果は長期にわたり持続することを示した。著者は、「LLLTは椎間板起因の腰痛に対する保存的治療において有用な治療選択肢である」とまとめている。Journal of Pain Research誌2015年5月26日号の掲載報告。
対象は、第3次疼痛センターを受診した椎間板起因の腰痛患者50例であった。全例、非ステロイド性抗炎症薬の併用療法を行うも効果が得られず、従来の理学療法を3ヵ月以上受けていた。椎間板起因であることはMRIならびに椎間板造影で確認され、単一レベルの病変を有していた。
GaAIAs半導体レーザー(810nm、5.4J/1圧痛点、電力密度20mW/cm2)で週3回、12週間LLLTを行い、前向きに長期間(平均5年)追跡した。
主な結果は以下のとおり。
・50例中49例において、オスウェストリー障害指数が、治療前平均50%から、12週後の治療終了時は平均10%に有意に改善した。
・その改善は、1年後および5年後の追跡調査時にも維持されていた。
・50例中1例は効果が得られず、最終的に手術を行った。
(ケアネット)