抗精神病薬、日本人の脂質異常症リスク比較:PMDA 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/06/30 脂質異常症は非定型抗精神病薬の有害事象としてよく知られているが、各非定型抗精神病薬のリスクを定量的に比較した研究は少ない。医薬品医療機器総合機構(PMDA)の竹内 由則氏らは、連続した疫学調査を用い、日本で承認されている非定型抗精神病薬の使用に関連する脂質異常症のリスクを比較評価した。Drug safety誌オンライン版2015年5月23日号の報告。 研究グループは、日本で承認されている9種類の非定型抗精神病薬(リスペリドン、パリペリドン、ペロスピロン塩酸塩、ブロナンセリン、クロザピン、オランザピン、フマル酸クエチアピン、アリピプラゾール、ゾテピン)を分析するために、健康保険請求データを用い、sequence symmetry analysis (SSA)を行った。曝露群は、非定型抗精神病薬と脂質異常症治療薬の両方が投与された患者の調剤記録より検出した。調剤パターンの時間的傾向で調整し、個々のおよびすべての非定型抗精神病薬の調整順序比(ASR)と95%CIを計算した。 主な結果は以下のとおり。 ・オランザピンのみが、脂質異常症の発症増加と有意に関連していた(ASR 1.56、95%信頼区間[CI]:1.25~1.95)。 ・リスペリドン(1.01、95%CI:0.80~1.27)、ペロスピロン塩酸塩(0.93、95%CI:0.63~1.39)、ブロナンセリン(0.83、95%CI:0.52~1.33)、フマル酸クエチアピン(0.93、95%CI:0.73~1.18)、アリピプラゾール(1.02、95%CI:0.82~1.26)のASRは約1.0であった。 ・パリペリドンとゾテピンは、サンプルサイズが小さいため、不安定な推定値(wide Cls)であった。 関連医療ニュース 日本人統合失調症患者の脂質プロファイルを検証!:新潟大学 オランザピンの代謝異常、原因が明らかに:京都大学 最新、抗精神病薬の体重増加リスクランキング 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Takeuchi Y, et al. Drug Saf. 2015 May 23. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 寄せられた疑問に答える、脂質異常症診療ガイド2023発刊/日本動脈硬化学会 医療一般(2023/08/15) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 敗血症性ショック、強化学習モデルのバソプレシン投与で死亡率低下/JAMA(2025/04/01) 各連携機関から見た造血幹細胞移植の現状と展望/日本造血・免疫細胞療法学会(2025/04/01) EGFR陽性NSCLC、アミバンタマブ+ラゼルチニブがOS改善(MARIPOSA)/ELCC2025(2025/04/01) 治療抵抗性うつ病に対する新たな治療薬、今後の展望は(2025/04/01) BMIを改善すると心房細動リスクが低減か(2025/04/01) 中強度〜高強度の身体活動は脳の健康に有益(2025/04/01) 自己免疫疾患に対する心身症の誤診は患者に長期的な悪影響を及ぼす(2025/04/01) レム睡眠潜時の増長がアルツハイマー病のマーカーとなる可能性(2025/04/01) [ あわせて読みたい ] 非機器的早期運動療法はDVT発生率を低減【論文から学ぶ看護の新常識】第1回(2025/02/05) トレンド・トーク『肺がん』(2024/06/11) 災害対策まとめページ(2024/02/05) Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11)