レビー小体型とアルツハイマー型を見分ける、PETイメージング 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/09/24 レビー小体型認知症(DLB)とアルツハイマー型認知症(AD)の鑑別診断において、PETイメージングによる脳内のアセチルコリンエステラーゼ(AChE)活性を測定する方法が有用である可能性が示された。国立研究開発法人放射線医学総合研究所分子イメージング研究センターの島田 斉氏らが検討を行った結果、AD患者と比較してDLB患者では一貫して顕著な脳内コリン作動性障害がみられたという。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2015年8月17日号の掲載報告。 研究グループは、脳AChE活性測定の診断能を調べるため、DLB患者とAD患者で、[11C]MP4A PETイメージング法を用いた検討を行った。DLB患者14例とAD患者25例、および年齢で適合した健常対照(HC)18例を対象とし、全被験者にMP4A PETスキャンを行い、脳内局所のAChE活性を測定した。スキャン画像の解剖学的標準化を行い、k3値、AChE活性指数を、ボクセルごとに非線形二乗法分析によって推算した。関心領域(Volumes of interest:VOI)は、正面、側頭、頭頂、後頭皮質および前方と後方の帯状束回(ACGとPCG)で、パラメトリックk3イメージで同定した。そしてVOIごとに、k3値によるADとDLBの鑑別診断能を、ROC曲線下面積(AUC)で評価した。ボクセルベースの統計学的分析も行った。 主な結果は以下のとおり。 ・皮質AChE活性の平均値は、AD患者(HCとの比較で-8.2%)およびDLB患者(-27.8%)ともにHCより有意に低かった(それぞれp<0.05、p<0.001)。 ・また、AD患者とDLB患者との間に、皮質平均AChE活性の有意な差が認められた(p<0.001)。 ・ACG以外の同定VOIのすべての局所において、脳AChE活性の測定により、DLBとADを区別することが可能だった。とくにPCGにおける診断能が最も有意であった(AUC=0.989、95%CI:0.965~1.000)。 関連医療ニュース 認知症、アルツハイマー型とレビー小体型の見分け方:金沢大学 うつ病と双極性障害を見分けるポイントは 統合失調症と統合失調感情障害、鑑別のポイント 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Shimada H, et al. Int J Geriatr Psychiatry. 2015 Aug 17. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] GLP-1受容体作動薬、内視鏡検査の誤嚥リスクに影響するか/BMJ(2024/11/05) オピオイド使用障害、治療中止リスクが低い薬剤は?/JAMA(2024/11/05) 精神科病床数はどのくらい必要なのか〜メタ解析(2024/11/05) 胃がん1次治療のニボルマブ+化学療法、承認後のリアルワールドデータ/日本癌治療学会(2024/11/05) 実臨床のスタチン、ロスバスタチンvs.アトルバスタチン(2024/11/05) 脳卒中後の治療で最善の血栓溶解薬とは?(2024/11/05) 不十分な情報でも「自分は正しい」と思い込むのはなぜか(2024/11/05) 大量飲酒後には不整脈リスクが増加か(2024/11/05) [ あわせて読みたい ] 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV シーズンII(2014/07/03) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)