SPECT+統計解析でアルツハイマー病の診断精度改善:東北大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/10/19 東北大学の金田 朋洋氏らは、SPECT(単光子放出断層撮像法)を用いたアルツハイマー病(AD)の診断精度について検討を行い、画像評価と統計解析を併用することで診断精度が改善することを報告した。SPECTは認知症の重要な診断ツールとなっているが、最近ではこれに統計解析を加味して認知症研究に用いるのが一般的になってきている。Clinical Nuclear Medicine誌オンライン版2015年9月10日号の掲載報告。 検討は、地域ベースの研究「大崎―田尻プロジェクト」において、ADおよびその他の認知症の診断(Dx)に対するSPECT評価と統計解析の精度を評価した。認知症の連続外来患者89例を登録し、Tc-ECDを用いた脳血流SPECTが実施された。SPECTの診断精度について、(1)SPECT画像評価による診断(SPECT Dx)、(2)簡易Zスコアイメージングシステムによる統計解析を用いた自動診断ツール(eZIS Dx)、(3)画像評価とeZISの併用(統合Dx)の3つで評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・統合Dxは、最も高い感度、特異度、および精度を示した。 ・2番目に高い精度を示したのは、eZIS法であった。 ・SPECT画像では、予想より高い確率でADの偽陰性を認めた。そのうち50%が前頭葉機能低下を示し、前頭側頭葉変性症と診断された。 ・これらの症例では、一次感覚運動皮質において「ホットスポット」が典型的にみられ(感覚運動野ホットスポットサインなど)、それらは前頭側頭葉変性症よりもADと関連すると判断された。 ・画像評価と統計解析を併用することにより、診断精度が改善する。 ・感覚運動野ホットスポットサインは、前頭葉機能低下がみられるAD検出に有用であり、AD診断能を適正に改善する。 関連医療ニュース レビー小体型とアルツハイマー型を見分ける、PETイメージング アルツハイマーの早期発見が可能となるか 軽度認知障害のPET検出、実用化への課題は 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Kaneta T, et al. Clin Nucl Med. 2015 Sep 10. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] ATTR型心アミロイドーシス、CRISPR-Cas9遺伝子編集療法が有望/NEJM(2024/12/23) 更年期のホルモン補充療法、心血管疾患のリスクは?/BMJ(2024/12/23) 完璧なHIV感染予防法にアクセスできるのは?(解説:岡慎一氏)(2024/12/23) 温水洗浄便座を使用する?しない?その理由は/医師1,000人アンケート(2024/12/23) 38種類の抗うつ薬と自殺リスク、小児に対するブラックボックス警告はいまだに有効か(2024/12/23) 帯状疱疹ワクチン、65歳を対象に定期接種化を了承/厚労省(2024/12/23) TN乳がん術前化学療法への周術期アテゾリズマブ上乗せ、EFSを改善せず/SABCS2024(2024/12/23) 増える成人食物アレルギーと新規アレルゲン、「食べたい」に応えるために/日本アレルギー学会(2024/12/23) 「ストレス食い」の悪影響、ココアで軽減の可能性(2024/12/23) [ あわせて読みたい ] 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV シーズンII(2014/07/03) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)