高齢者における誤嚥性肺炎のリスク因子が明らかに

高齢者における誤嚥性肺炎と関連するリスク因子は、喀痰吸引、嚥下機能の低下、脱水、認知症であることが、筑波大学の間辺 利江氏らによる研究で明らかになった。これらの結果は、繰り返す誤嚥性肺炎を予防するための臨床管理の改善に役立てられると考えられる。PLoS One誌オンライン版2015年10月7日号の報告。
誤嚥性肺炎のリスク因子を高齢者9,930人を対象に調査
誤嚥性肺炎は、高齢者において市中肺炎や医療関連肺炎よりも多く、日本人の主な死因の1つである。しかし、高齢者が誤嚥性肺炎を発症するリスク因子については、十分に評価されていない。そこで著者らは、日本の高齢者における誤嚥性肺炎のリスク因子を調査するため、高齢者医療センターや介護施設の全国調査データを用いて観察研究を行った。対象は、高齢者9,930人(中央値86歳、女性76%)。過去3ヵ月間以内に誤嚥性肺炎に罹患した群と罹患していない群の2群に分け、人口統計学的データ、臨床状態、ADL、主疾患について比較した。
誤嚥性肺炎のリスク因子研究の主な結果は以下のとおり。
・最近3ヵ月以内に誤嚥性肺炎群に罹患したのは、259人(全体の2.6%)であった。
・単変量解析の結果、誤嚥性肺炎のリスク因子であることが示されたのは以下のとおり。
喀痰吸引(OR 17.25、95%CI:13.16~22.62、p<0.001)
毎日の酸素療法(OR 8.29、95%CI:4.39~15.65)
要食事介助(OR 8.10、95%CI:6.27~10.48、p<0.001)
尿道カテーテル(OR 4.08、95%CI:2.81~5.91、p<0.001)
より高齢であることが誤嚥性肺炎のリスク因子であることは、示されなかった。
・多重ロジスティック回帰分析の結果、傾向調整(各258例)後の誤嚥性肺炎と関連するリスク因子は以下のとおり。
喀痰吸引(OR 3.276、95%CI:1.910~5.619)
過去3ヵ月の嚥下機能低下(OR 3.584、95%CI:1.948~6.952)
脱水(OR 8.019、95%CI:2.720~23.643)
認知症(OR 1.618、95%CI:1.031~2.539)
(ケアネット 武田 真貴子)
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