重症再生不良性貧血患者へ、もう一度alloHSCTを行うべきか

提供元:ケアネット

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公開日:2015/11/25

 

 1998~2009年にEuropean Society for Blood and Marrow Transplantationに報告された、再同種造血幹細胞移植(alloHSCT)を実施した患者162例の結果を、イタリア・Azienda Ospedaliera Universitaria Integrata VeronaのSimone Cesaro氏らが分析した。その結果、重症再生不良性貧血患者の移植失敗例に対する再alloHSCTの実施は、実行可能なレスキューオプションであり、60%で良好な結果が得られると報告した。British journal of haematology誌2015年11月号の報告。

 主な結果は以下のとおり。

・同胞ドナー110例、非血縁ドナー52例であった。
・幹細胞ソースは、骨髄が31%、末梢血が69%であった。
・最初のalloHSCTと同じドナーが81%で使用され、幹細胞ソースの変更は56%で認められて(主に、骨髄から末梢血に変更)。
・好中球の生着は中央値15日で85%、血小板の生着は中央値17日で72%であった。
・GradeII~IVの急性移植片対宿主病(GVHD)は21%、慢性GVHDは37%で発生した。
・移植失敗患者は42例(26%)であった。
・中央値3.5年のフォローアップ後、5年全生存率(OS)は60.7%であった。
・多変量解析では、有意に良好な結果と関連する唯一の因子として、Karnofsky/Lansky score80以上があり、高いOSと関連していた。

 重症再生不良性貧血患者の移植失敗例に対し、再alloHSCTは実行可能なレスキューオプションであり、60%で良好な結果が得られる。

(ケアネット 鷹野 敦夫)

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原著論文はこちら

Cesaro S, et al. Br J Haematol. 2015;171:606-614.