アスピリンの抗うつ効果をラットで確認 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/01/22 ヒトのみならず実験モデルにおいても、炎症性メディエーターがうつ病の一因となることが数多くの研究で示唆されている。しかし、抗炎症薬による治療がうつ病を予防できるかどうかは議論の余地があることから、インド・L. J. Institute of Pharmacy(LJIP)のShailendra Bhatt氏らは、慢性軽度ストレス(CMS)モデルラットを用いた実験を行った。その結果、アスピリンの単独または抗うつ薬との併用投与はいずれも、うつ病治療に役立つ可能性が示唆されたという。著者らは、「ストレス負荷または他の生理・生化学的機序において、炎症性メディエーターの阻害は抗うつ効果に関与している可能性がある」とまとめている。Basic & Clinical Pharmacology & Toxicology誌オンライン版2015年12月8日号の掲載報告。 研究グループは、雄性SDラットを用い、アスピリン(10mg/kg、経口投与)群、デキサメタゾン(1mg/kg、経口投与)群、アミトリプチリン(10mg/kg、経口投与)群、アスピリン+アミトリプチリン群、デキサメタゾン+アミトリプチリン群、疾患対照(無治療)群および正常対照群に分け、正常対照群を除いた全群のラットに28日間CMSを負荷するとともに、疾患対照群以外は各薬剤を投与した。試験終了時、スクロース嗜好性試験、行動テスト(強制水泳、高架式十字迷路、明暗箱、自発運動)、および生化学的評価(血清コルチゾール、脳神経伝達物質)を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・疾患対照群では、有意な抑うつ行動が認められた。 ・アスピリン群およびアスピリン+アミトリプチリン群では、疾患対照群と比較しスクロース嗜好性の増加、強制水泳テストでの無動時間の減少、抗うつ性効果を意味する血清コルチゾール低下および脳内セロトニン濃度増加が示された。 ・デキサメタゾン群では、抑うつ行動が悪化した。 (鷹野 敦夫) 精神科関連Newsはこちらhttp://www.carenet.com/psychiatry/archive/news 原著論文はこちら Bhatt S, et al. Basic Clin Pharmacol Toxicol. 2015 Dec 8. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 脳出血既往AFに対する脳梗塞予防、DOACは有用か?/Lancet(2025/03/07) GLP-1受容体作動薬、自殺リスクと関連せず/BMJ(2025/03/07) 活動性ループス腎炎に対する新しいタイプの抗CD20抗体の治療効果(解説:浦信行氏)(2025/03/07) 抗PD-L1抗体薬、GLP-1薬などに重大な副作用追加/厚労省(2025/03/07) 新規作用機序の潰瘍性大腸炎治療薬オザニモド、その特徴は?/BMS(2025/03/07) 治療抵抗性強迫症に対するSSRI+ブレクスピプラゾールの有用性(2025/03/07) 硬膜外ステロイド注射は慢性腰痛に効果あり?(2025/03/07) 日本人の4人に1人がコロナ陰謀論を信じている!?(2025/03/07) [ あわせて読みたい ] 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)