非アルコール性脂肪性肝疾患で勃起不全に!?

提供元:ケアネット

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公開日:2016/02/23

 

 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と勃起不全(ED)との間に有意な関連性が示されたことが、トルコ・マルマラ大学のDeniz Guney Duman氏らによる研究で初めて明らかにされた。The Journal of Sexual Medicine誌オンライン版2016年2月4日号掲載より。

 NAFLDは、メタボリックシンドローム(MetS)における肝症状の現れと考えられており、MetSは、EDと関係していることがよく知られている。しかしながら、NAFLDとEDの関連性を調査した臨床研究は、数が乏しい。そこで、著者らは、NAFLDとEDの関連性を評価するため研究を行った。

 本研究では、肝生検によりNAFLDの診断を受けた男性患者が、ED問診票(5項目の国際勃起機能スコア[IIEF-5])に記入したスコアと、患者の臨床的、組織学的変数との比較が行われた。主要評価項目は、IIEF-5、EDおよび/またはMetSのNAFLD患者割合、組織学的肝障害の重症度とEDとの関連性とした。

 主な結果は以下のとおり。

・肝生検によりNAFLDの診断を受けた平均年齢40.13±10.22歳(24~57歳まで、33歳の年齢幅)の男性患者40人は、IIEF-5の中央値が16(9~25)で、MetSが23人(57.5%)存在した。

・EDの重症度分布はそれぞれ、中等度:11人(27.5%)、軽度:16人(40%)、EDではない:13人(32.5%)であった。

・組織学的NAFLDスコアは、EDではない患者と比較して、ED患者で有意に高かった(5.63±1.39 vs. 4.15±1.46、p=0.006)。

・MetSと診断された患者は、EDではない患者と比較して、ED患者で有意に多かった(19人[70.4%]vs. 4人[30.8%]、p=0.018)。

・ED患者とEDではない患者を比較すると、MetSの構成要素はEDと相関しなかったのに対し、ガンマグルタミルトランスフェラーゼ(GGT)は、EDで有意に低かった。

・多変量解析を行っても、NAFLDスコアは、EDと有意に関連していた(オッズ比:2.38、95%信頼区間:1.079~5.238、p=0.03)。

(ケアネット 佐藤 駿介)