ロコモは、身体能力だけでなくうつ病とも関連する?

提供元:ケアネット

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公開日:2016/03/04

 

 ロコモティブシンドローム(LS)は、身体能力だけでなくうつ病の程度とも関係していることを愛知医科大学 運動療育センターの池本 竜則氏らが報告した。Journal of Orthopaedic Science誌オンライン版2016年2月10日号の掲載報告。

 LSについての報告は最近増加しており、現在までに身体能力に関しての研究はなされてきたが、精神医学的評価を含めた研究はまれである。
本研究では25-question geriatric locomotive function scale(GLFS-25)を用いて、LSの有無と重症度に関連する身体的および精神的パラメータを調査した。

 対象は、同運動療育センターを利用している健康な60歳以上の高齢者150人で、事前に測定したGLFS-25カットオフ値(=16ポイント)から、LS群もしくは非LS群に割り付けられた。年齢、握力、timed-up-and-go test(TUG)、開眼片足立ち、背筋力、脚筋力、うつ病の程度、認知障害についてのパラメータは、Mann-Whitney U-test、および多重ロジスティック回帰分析を用いて比較検討した。
 また、LS重症度と強い相関を示した変数は、多重線形回帰分析を用いて検討した。

 主な結果は以下のとおり。

・非LS群は110人(73%)で、LS群は40人であった。

・LS群と非LS群間を比較分析したところ、年齢、握力、TUG、開眼片足立ち、背筋力、うつ病の程度において有意な差が認められた(p<0.006、Bonferroni補正)。

・握力機能低下、TUG、片足立ち、うつ病の程度がLSに有意に関連していた(多重ロジスティック回帰分析)。

・GLFS-25スコアに大きく寄与する要因は、TUGとうつ病の程度であった(多重線形回帰分析)。

(ケアネット 常盤 真央)