原発開放隅角緑内障(POAG)は失明や視覚障害の主な原因で、POAGと視神経機能に関連するいくつかの遺伝的リスク因子が確認されている。米国・アイオワ大学のTodd E. Scheetz氏らは、Ocular Hypertension Treatment Study(OHTS)の参加者を対象に、それら遺伝的リスク因子が緑内障発症に及ぼす影響について検討した。その結果、非ヒスパニック系白人集団においてはTMCO1遺伝子型が、既知の臨床的な予測因子と同程度に緑内障と関連していることを明らかにした。Ophthalmology誌オンライン版2016年10月1日号の掲載の報告。
研究グループは、OHTS試験の参加者1,636例のうち1,057例(65%)を登録し、DNAの検体を入手した。1994~2009年の間に、POAGを発症した209例を患者群、緑内障を呈しなかった848例を対照群として、他のコホートにおいてPOAGまたは視神経乳頭機能との関連が示された13のリスクアレルの頻度を調べ、比較した。主要評価項目は、既知の遺伝要因とPOAGとの関連とした。
なお、1,057例のうち非ヒスパニック系白人752例(70.7%)と黒人249例(23.7%)について、サブグループ解析も行った。
主な結果は以下のとおり。
・OHTSコホート全体(1,057例)としては、既知のPOAGリスクアレルとの関連は検出されなかった。
・しかし非ヒスパニック系白人集団において、TMCO1遺伝子座でアレル頻度が患者群と対照群で有意な差が認められた(p=0.00028)。
・13年間でTMCO1リスクアレルを有する非ヒスパニック系白人は、リスクを有していない人より緑内障の累積発症頻度が12%増加した。
・Cox比例ハザード分析の結果、TMCO1アレルはすでに知られている臨床的因子(眼圧)と同程度の相対リスク増大が認められた。
(ケアネット)