緑内障の視野障害の重症度、網膜血管密度の減少と関連

提供元:ケアネット

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公開日:2016/10/27

 

 近年、光干渉断層計血管造影(OCT-A)により網膜の微小血管の評価が可能となっている。米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のAdeleh Yarmohammadi氏らは、OCT-Aを用いて測定した血管密度の減少が、原発開放隅角緑内障における視野障害の重症度と、構造異常にかかわらず有意に関連していることを明らかにした。著者は、「OCT-Aは緑内障の管理において有用な技術であり、疾患の病態生理における血管系の役割について理解を深めることができる」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2016年10月7日号掲載の報告。

 研究グループは、OCT-Aによる血管密度測定と視野欠損の重症度との関連を評価する目的で、Diagnostic Innovations in Glaucoma Studyに登録された健常者31例、緑内障疑い48例および緑内障患者74例の計153眼を対象に、OCT-A、spectral-domain OCTおよび自動視野計(SAP)による検査を実施した。

 網膜の血管密度は、網膜神経線維層(RNFL)の乳頭周囲血管密度(cpVD)(視神経乳頭周囲の幅750μmの楕円環)および総血管密度(wiVD)(スキャン範囲4.5×4.5mm)の2つを測定し、主要評価項目は視野欠損の重症度(SAPのMD値による)とOCT-Aによる血管密度との関連とした。

 主な結果は以下のとおり。

・緑内障眼と比較して正常眼で、より密なRNFL内の微小血管ネットワークが認められた。
・血管密度は、正常眼が最も高く、続いて緑内障疑い、軽度緑内障および中等度/重度緑内障の順であった。wiVDはそれぞれ、55.5%、51.3%、48.3%および41.7%、cpVDは62.8%、61.0%、57.5%および49.6%であった(いずれもp<0.001)。
・MD値とcpVDおよびwiVDとの関連(それぞれR2=0.54、R2=0.51)は、MD値とRNFLおよびrim areaとの関連(それぞれR2=0.36、R2=0.19)より強かった。
・多変量回帰分析の結果、wiVDが1%減少するごとにMD値で0.66dB、cpVDの1%減少で0.64dBの視野欠損と関連していた。
・さらに、血管密度と視野障害の重症度との関連は、構造異常の影響を調整した後でも有意であることが示された。

(ケアネット)