統合失調症に対する中国伝統医学、エビデンスの評価は

提供元:ケアネット

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公開日:2016/10/26

 

 統合失調症に対する中国伝統医学のランダム化比較試験の報告を調査し、この分野における研究のレビューを、中国・上海大学のHongyong Deng氏らが行った。Asia-Pacific psychiatry誌オンライン版2016年10月13日号の報告。

 Cochrane Schizophrenia Group's comprehensive Trials Register(2016年1月)を検索し、すべての関連するランダム化比較試験を選択し、各研究データを抽出した。最後に、Cochrane Libraryの関連レビューを検索した。

 主な結果は以下のとおり。

・まず、423件をスクリーニングし、そのうち378件、3万5,341例のランダム化比較試験を同定した(平均研究サイズ:94、SD:60)。
・統合失調症治療に対する報告は、単一薬草7件、組成物または抽出物4件、混合薬草144件以上、中国伝統医学7件であった。
・中国伝統医学による非薬理学的介入には、鍼治療や運動療法が含まれていた。
・最も一般的に評価された治療は、イチョウ、鍼、Wendan煎じ薬、Shugan Jieyuカプセルであった。
・直接関連するコクランレビューは3件であった。

 著者らは「ほとんどの治療アプローチやいくつかの共通使用は、1,2つの関連する小規模試験を有していた。これまでの報告を基に調整することで、ランダム化比較試験のより適切なサイズ設計に役立つと考えられる。この分野におけるシステマティックレビューは行われるべきであるが、中国伝統医学の複雑なタイトルを織り込む必要がある」としている。

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(鷹野 敦夫)