アルツハイマーの認知機能低下、冠動脈疾患で加速

提供元:ケアネット

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公開日:2017/01/05

 

 冠動脈疾患(CHD)がアルツハイマー病(AD)における認知機能低下を加速させるかどうかを、ドイツ・ボン大学のMarkus Bleckwenn氏らがプライマリケアでの前向き縦断的コホート研究で検討したところ、CHDは晩期発症型の高齢認知症患者における認知機能低下に有意に影響を及ぼすことが認められた。心血管疾患の予防が認知症の進行に影響するかもしれない。The British journal of general practice誌オンライン版2016年12月19日号に掲載。

 本研究は、ドイツの6都市における一般診療科における多施設コホート研究である。参加者は、軽度~中等度のprobableアルツハイマー型認知症または混合型認知症の患者で(118例、平均年齢85.6±3.4歳、範囲80~96歳)、CHDの評価は家庭医の診断に従った。認知機能は、6ヵ月ごとに最大3年間、家庭訪問時にミニメンタルステート検査(MMSE)と臨床的認知症重症度判定尺度(CDR-SoB)を用いて測定した。観察期間中の死亡も記録した。

 主な結果は以下のとおり。

・ベースライン時、65例(55%)がCHDを有しているか、心筋梗塞に続く心臓の異常があった。

・CHDの存在は、認知機能の低下を約66%加速し(MMSE、p<0.05)、認知機能を約83%低下させた(CDR-SoB、p<0.05)が、生存には影響しなかった。

(ケアネット 金沢 浩子)

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