アセタゾラミド術前投与で緑内障眼の白内障術後における眼圧上昇を抑制

提供元:ケアネット

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公開日:2017/02/15

 

 経口アセタゾラミド内服による、緑内障眼の白内障術後の眼圧上昇予防効果は認められるのか。福岡県・林眼科病院の林研氏らが、その有効性と適切な投与時期について無作為化試験にて検討した。その結果、原発開放隅角緑内障(POAG)眼では水晶体超音波乳化吸引術後3~7時間に眼圧上昇が認められ、手術1時間前のアセタゾラミド経口投与は非投与および手術3時間後投与と比較して、眼圧上昇を抑制することを明らかにした。Ophthalmology誌オンライン版2017年1月19日号掲載の報告。

 研究グループは、水晶体超音波乳化吸引術を施行予定の管理良好なPOAG患者90例90眼を対象に、次の3群を比較する無作為化並行群間試験を行った。(1)術前投与群:手術1時間前にアセタゾラミド500mgを経口投与、(2)術後投与群:手術3時間後にアセタゾラミド500mgを経口投与、(3)非投与群:アセタゾラミド非投与。

 手術1時間前、手術終了時(術後眼圧を15~25mmHgに調節)、手術1、3、5、7および24時間後に眼圧を測定し、術後眼圧値と術後眼圧上昇(術前眼圧より100%以上上昇)の発生率について評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・手術1時間前、手術終了時の平均眼圧は、3群間で有意差はなかった。
・平均眼圧は、すべての群で手術3~7時間後に有意に上昇したが、24時間後には低下した。
・手術1時間後および3時間後の平均眼圧は、術前投与群がほかの2群と比較し、有意に低かった(p≦0.0031)。
・手術5、7および24時間後の眼圧は、術前投与群および術後投与群ともに、非投与群より有意に低かった(p≦0.0224)。
・術後眼圧上昇は、術前投与群で1眼(3.3%)、術後投与群で7眼(23.3%)、非投与群で8眼(26.6%)に認められ、発生率は術前投与群で有意に低かった(p=0.0459)。

(ケアネット)