認知症予防へのビタミンDや日光曝露、さらなる研究が求められる 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/02/20 日光曝露や高ビタミンD状態は、認知症発症を予防するといわれている。オーストリア・クレムス継続教育大学のIsolde Sommer氏らは、経時的な日光曝露の欠如やビタミンD欠乏症が認知症と関連しているかを検討した。BMC geriatrics誌オンライン版2017年1月13日号の報告。 MEDLINE(PubMed経由)、Cochrane Library、EMBASE、SCOPUS、Web of Science、ICONDAおよび1990~2015年10月までの適切なレビュー記事のリファレンスリストをシステマティックに検索した。認知症リスクのサロゲートマーカーとしての日光曝露またはビタミンDの影響を評価するために、パブリッシュおよびノンパブリッシュデータのランダム効果メタ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・日光曝露と認知症リスクとの関連性を調査した単一研究は特定できなかった。 ・認知症リスクに対する血清ビタミンD濃度の影響に関するデータには、6件のコホート研究があった。 ・5件の研究のメタ解析では、重篤なビタミンD欠乏症患者(25nmol/L未満または7~28nmol/L)は、十分なビタミンDの供給を有する者(50nmol/L以上または54~159nmol/L)と比較し認知症リスクが高いことが示された(ポイント推定:1.54、95%CI:1.19~1.99、I2=20%)。 ・重篤なビタミンD欠乏症は、認知症発症リスクが高いと考えられるが、研究に含まれた観察研究の性質と残存または重要な交絡因子調整の欠如(例えば、ApoEε4遺伝子型)、ならびに日光曝露の代わりとなるビタミンD濃度と認知症リスクとの間接的な関係が含まれる。 著者らは「本レビューから、低ビタミンD濃度が認知症発症に影響すると考えられる。日光曝露と認知症リスクとの直接的および間接的関係を調査するための、さらなる研究が必要である。このような研究には、ビタミンD濃度または日光曝露と認知症アウトカムの均質で反復的な評価を伴う大規模コホート研究が必要である」としている。 関連医療ニュース 魚を食べると認知症は予防できるのか 歩くのが遅いと認知症リスク大 米国の認知症有病率が低下、その要因は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Sommer I, et al. BMC Geriatr. 2017;17:16. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 認知症の進行予防にビタミンEは有効か? 医療一般(2012/11/26) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 院外心停止患者への薬物投与、骨髄路は有効か/NEJM(2024/11/20) アジア人女性のBMIと乳がんの関連、欧米人との違い~32万人のデータ解析(2024/11/20) フィネレノンによるカリウムの影響~HFmrEF/HFpEFの場合/AHA2024(2024/11/20) 日本人に対するニボルマブのNSCLC周術期治療(CheckMate 77T)/日本肺癌学会(2024/11/20) インフル・コロナワクチン接種、同時vs.順次で副反応に差はあるか(2024/11/20) 日本の小中高生の自殺リスク「学校に行きたくない」検索量と関連(2024/11/20) 筋トレを数週間休んでも再開後は速やかに筋肉が元に戻る(2024/11/20) 除細動器での心肺蘇生、1分の遅れが大きな影響(2024/11/20) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) 今、注目のエビデンス(2018/07/02) 第4回 特別編 覚えておきたい熱中症の基本事項【救急診療の基礎知識】(2018/07/25) 民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.2(2018/04/07) 長門流 認定内科医試験BINGO! 総合内科専門医試験エッセンシャル Vol.3(2017/06/07) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【神経内科編】(2016/12/07) 総合内科専門医試験対策 “苦手”科目をクイック復習 2016 (2016/07/29) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.4(2016/06/07) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.3(2016/05/31) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07)