急性心不全に対するトルバプタンの効果:大阪府立総合医療センター 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/04/07 急性非代償性心不全(ADHF)の治療の主流は、利尿薬治療によるうっ血改善であるが、しばしば腎機能の悪化(WRF)と関連する。大阪府立急性期・総合医療センターの玉置 俊介氏らは、左室駆出率(LVEF)が保持されたADHF患者のWRFに対する選択的V2受容体アンタゴニストであるトルバプタンの効果について検討を行った。Circulation journal誌オンライン版2017年2月16日号の報告。 入院時のLVEFが45%以上のADHF患者を50例連続で登録を行った。対象患者は、トルバプタン追加群26例と従来の利尿薬治療群24例にランダムに割り付けられた。主要エンドポイントは、WRFの発生とした。WRFの定義は、ランダム化後48時間以内に血清クレアチニン(Cr)0.3mg/dL以上またはベースラインより50%以上の上昇とした。 主な結果は以下のとおり。 ・ランダム化後48時間では、体重または総尿量に2群間で有意な差は認められなかった。 ・ランダム化後24、48時間におけるCrの変化(ΔCr)およびWRFの発生率は、トルバプタン群で有意に低く、尿素窒素排泄率(FEUN)は有意に高かった。 ・ランダム化後48時間で、ΔCrとFEUNとの間に逆相関が認められた。 著者らは「トルバプタンは、腎灌流の維持を通じて、LVEFが保持されたADHF患者において、有意なWRF低リスクを有しうっ血を軽減することができる」としている。 関連医療ニュース CKD患者に対するトルバプタン、反応予測因子は:横浜市大センター病院 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Tamaki S, et al. Circ J. 2017 Feb 16. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 早期TN乳がんの術前・術後ペムブロリズマブ、最終OS結果(KEYNOTE-522)/NEJM(2024/09/27) 複雑病変へのPCI、OCTガイドvs.血管造影ガイド/Lancet(2024/09/27) 転移を有するホルモン感受性前立腺がん、ダロルタミド+ADTがrPFS改善(ARANOTE)/ESMO2024(2024/09/27) 日本人治療抵抗性うつ病に対するケタミン治療の有用性~二重盲検ランダム化比較試験(2024/09/27) サシツズマブ ゴビテカン、トリプルネガティブ乳がんに承認/ギリアド(2024/09/27) アミバンタマブ、化学療法との併用でEGFRエクソン20挿入変異陽性肺がんに承認/ヤンセン(2024/09/27) 患者満足度向上対策をクリニックの6割が実施/医師1,000人アンケート(2024/09/27) 肛門扁平上皮がん1次治療、新規抗PD-1抗体上乗せが有用(POD1UM-30)/ESMO2024(2024/09/27) [ あわせて読みたい ] Dr.香坂のアカデミック・パスポート 「文献の引き方」から「論文の書き方」まで (2017/03/07) Dr.林の笑劇的救急問答12<下巻>(2017/02/07) Dr.林の笑劇的救急問答12<上巻>(2016/10/07) Dr.加藤の「これだけ眼科」(2016/10/07) イワケンの「極論で語る感染症内科」講義 (2016/08/07) 金子英弘のSHD intervention State of the Art(2016/07/29) 総合内科専門医試験対策 アップデート問題はココが出る!2016 (2016/07/29) 今さら聞けない薬の作用~系統別にコンパクト解説~(2016/05/11) Dr.中川の世界のカテまでイッテ究(キュウ)(2016/04/20) フィーバー國松の不明熱コンサルト (2016/04/07)