durvalumab、既治療の進行膀胱がんに迅速承認:FDA 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/05/10 AstraZenecaとその生物製剤研究開発拠点MedImmuneは2017年5月1日、米国食品医薬品局(FDA)が、durvalumabに進行膀胱がんに対する迅速承認を与えたと発表した。適応は、プラチナ含有化学療法中・後、またはネオアジュバント・アジュバントのプラチナ含有化学療法から12ヵ月以内に進行した局所進行または転移性尿路上皮がん患者で、PD-L1発現の有無は問わない。確認試験における臨床的有益性の検証結果により承認の継続が決められる。 今回の承認は、局所進行または転移性尿路上皮がんの患者におけるdurvalumabの安全性および有効性を評価した、第I/II相試験(1108試験)の結果によるもの。被験者は、durvalumab 10mg/kgを2週間ごとに、PDまたは容認できない毒性が現れるまで継続投与された。 評価可能な全患者(182例)における奏効率(ORR)は17.0%(95%CI:11.9~23.3)。PD-L1高発現患者のORRは26.3%(95%CI:17.8~36.4)であった(PD-L1高値:腫瘍浸潤免疫細胞が腫瘍領域の1%を超えて含まれる場合は、腫瘍細胞または腫瘍浸潤免疫細胞の25%以上がPD-L1を発現。腫瘍浸潤免疫細胞が腫瘍領域に含まれる割合が1%以下の場合は、腫瘍細胞の25%以上または腫瘍浸潤免疫細胞の100%がPD-L1を発現)。 評価可能な患者の14.3%(26例)がPR、2.7%(5例)がCRであった。ネオアジュバント・アジュバントの化学療法を受けた患者では、24%(9例)が奏効した。初回奏効までの時間の中央値は6週間であった。奏効した31例のうち14例(45%)では、効果が6ヵ月以上持続し、5例(16%)では12ヵ月以上持続していた。 durvalumab投与における重篤な有害事象は患者の46%で発現した。頻度の高い(>2%)ものは、急性腎不全(4.9%)、尿路感染(4.4%)、筋骨格痛(4.4%)、肝障害(3.3%)、全般的な健康悪化(3.3%)、敗血症、腹痛、発熱/腫瘍関連熱(各2.7%)。Grade5の有害事象は8例(4.4%)。3.3%の患者が有害事象のため投与中止に至った。 (ケアネット 細田 雅之) 参考AstraZeneca(米国)のメディアリリース 1108試験(Clinical Trials.gov) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 早期TN乳がんの術前・術後ペムブロリズマブ、最終OS結果(KEYNOTE-522)/NEJM(2024/09/27) 複雑病変へのPCI、OCTガイドvs.血管造影ガイド/Lancet(2024/09/27) 重症インフルエンザに対する抗ウイルス薬の有効性(解説:小金丸博氏)(2024/09/27) 転移を有するホルモン感受性前立腺がん、ダロルタミド+ADTがrPFS改善(ARANOTE)/ESMO2024(2024/09/27) 日本人治療抵抗性うつ病に対するケタミン治療の有用性~二重盲検ランダム化比較試験(2024/09/27) サシツズマブ ゴビテカン、トリプルネガティブ乳がんに承認/ギリアド(2024/09/27) アミバンタマブ、化学療法との併用でEGFRエクソン20挿入変異陽性肺がんに承認/ヤンセン(2024/09/27) 患者満足度向上対策をクリニックの6割が実施/医師1,000人アンケート(2024/09/27) 肛門扁平上皮がん1次治療、新規抗PD-1抗体上乗せが有用(POD1UM-30)/ESMO2024(2024/09/27) [ あわせて読みたい ] 化療スタンダードレジメン(2014/01/07) 侍オンコロジスト奮闘記~Dr.白井 in USA~ Part1(2015/06/04) Dr.小川のアグレッシブ腹部エコー 肝臓編(2015/05/08) サン・アントニオ乳癌シンポジウム2014〔会員聴講レポート〕 (2014/12/25) 化療スタンダードレジメン:卵巣がん(2014/06/17) 化療スタンダードレジメン:卵巣がん(2014/06/03) 化療スタンダードレジメン:卵巣がん(2014/05/14)