精神疾患患者の死亡率は減少しているのか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/08/17 双極性障害や統合失調症は、一般集団と比較して死亡率の増加と関連している。国際的には、この死亡率を減少させることに重点が置かれている。英国・ロンドン大学のJoseph F. Hayes氏らは、双極性障害および統合失調症患者と一般集団の死亡率の差が減少したかを調査した。The British journal of psychiatry誌オンライン版2017年7月6日号の報告。 本研究は、2000~14年のプライマリケア健康医療電子記録を用いて、双極性障害または統合失調症と診断されたすべての患者と一般集団を比較したコホート研究。主要アウトカムは、全死因死亡率とした。 主な結果は以下のとおり。 ・双極性障害患者(調整HR:1.79、95%CI:1.67~1.88)および統合失調症患者(調整HR:2.08、95%CI:1.98~2.19)の死亡率は、上昇していた。 ・双極性障害患者の調整HRは、2006年から14年にかけて0.14/年(95%CI:0.10~0.19)増加した。 ・統合失調症患者の調整HRは、2004年から10年にかけて0.11/年(95%CI:0.04~0.17)と徐々に増加し、2010年以降0.34/年(95%CI:0.18~0.49)と急速に増加した。 著者らは「双極性障害および統合失調症患者と一般集団の死亡率の差は、拡大している」としている。 ■関連記事 抗精神病薬使用は長期死亡リスクに悪影響なのか 統合失調症患者の突然死、その主な原因は うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Hayes JF, et al. Br J Psychiatry. 2017 Jul 6. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 患者の死への立ち合い方-医学部で教わらなかった大切なこと 医療一般(2019/06/24) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] ATTR型心アミロイドーシス、CRISPR-Cas9遺伝子編集療法が有望/NEJM(2024/12/23) 更年期のホルモン補充療法、心血管疾患のリスクは?/BMJ(2024/12/23) 完璧なHIV感染予防法にアクセスできるのは?(解説:岡慎一氏)(2024/12/23) 温水洗浄便座を使用する?しない?その理由は/医師1,000人アンケート(2024/12/23) 38種類の抗うつ薬と自殺リスク、小児に対するブラックボックス警告はいまだに有効か(2024/12/23) 帯状疱疹ワクチン、65歳を対象に定期接種化を了承/厚労省(2024/12/23) TN乳がん術前化学療法への周術期アテゾリズマブ上乗せ、EFSを改善せず/SABCS2024(2024/12/23) 増える成人食物アレルギーと新規アレルゲン、「食べたい」に応えるために/日本アレルギー学会(2024/12/23) 「ストレス食い」の悪影響、ココアで軽減の可能性(2024/12/23) [ あわせて読みたい ] クローズアップ!精神神経 7疾患(2021/01/26) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)