ROS1肺がん治療薬と診断薬の承認にLC-SCRUM-Japanの研究成果

提供元:ケアネット

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公開日:2017/08/24

 

 国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜 斉、東京都中央区)は2017年8月18日、同センター東病院での多施設共同研究全国肺がん遺伝子診断ネットワークLC-SCRUM-Japan(研究代表者:同東病院、呼吸器内科長後藤功一氏)の成果および治療開発への貢献により、ROS1融合遺伝子陽性の切除不能進行・再発非小細胞肺がん(ROS1肺がん)に対する治療薬として、分子標的薬クリゾチニブの適応拡大が承認されたと発表。あわせて、ROS1融合遺伝子検出の体外診断用医薬品(ROS1融合遺伝子検出キット)が、この治療におけるコンパニオン診断薬として承認された。

 LC-SCRUM-Japanには全国240以上の診療施設が参加し、4,000例を超える肺がん患者の遺伝子スクリーニングが行われた。2013年9月から開始されたROS1肺がんに対するクリゾチニブの承認申請のための臨床試験には、LC-SCRUM-Japanの遺伝子スクリーニングで発見されたROS1肺がん患者が多数登録され、またその診断薬の開発には、これまでの遺伝子スクリーニングのデータが活用された。ROS1肺がんは非小細胞肺がんの1~2%という希少ながんにも関わらず、臨床試験の開始から4年で治療薬、および診断薬の承認に至ったことには、LC-SCRUM-Japan参加全施設が協力して行った大規模な遺伝子スクリーニングが大きく貢献した、としている。

 この試験結果をもとに、わが国では、2017年5月にROS1肺がんに対する治療薬としてクリゾチニブの適応拡大が承認された。あわせて、ROS1融合遺伝子検出のための体外診断用医薬品OncoGuide AmoyDx ROS1融合遺伝子検出キットが、ROS1肺がんに対するクリゾチニブ治療のコンパニオン診断薬として承認された。

■参考
国立がん研究センタープレスリリース

(ケアネット 細田 雅之)