自己眼圧測定は、眼圧の頻繁な測定と、最高眼圧および眼圧変動の理解を高めることに寄与するが、英国・エディンバラ大学のSavva Pronin氏らによる検討の結果、大部分の緑内障患者が、反跳式眼圧計を用いて自ら眼圧測定を行うことができ、反復測定を受け入れ可能であることが示唆された。著者は、「自己眼圧測定は患者の関与を改善する可能性があり、自己眼圧測定によって眼圧の経時的な変動の全体像をより詳しく把握することもできる」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年8月31日号掲載の報告。
研究グループは、2016年3月1日~12月30日に大学病院の緑内障クリニックにおいて、本試験への参加に同意が得られた緑内障または高眼圧患者連続100例両眼を対象に試験を行った(平均年齢67.5[SD 10.9]歳、女性53%)。
参加した患者は、反跳式眼圧計による自己眼圧測定の訓練を受け、観察期間中に同法で眼圧を測定するとともに、自己眼圧測定に関するアンケートに回答した。また、医師による眼圧測定(反跳式眼圧計およびゴールドマン圧平眼圧計)も行った。
主要評価項目は、自己眼圧測定を実施できた患者の割合で、測定手技が良好、かつ、同じ眼圧計(反跳式眼圧計)を使用したときの患者による測定値と医師による測定値の違いが5mmHg以内の場合を「完全成功」と定義した。また、自己眼圧測定に関するアンケート(3項目)についても評価した。
主な結果は以下のとおり。
・完全成功を達成した患者は、100例中73例(73%)であった。
・自己眼圧測定はできたが医師測定値との差が5mmHgを超えた「部分成功」は、6例であった。
・反跳式眼圧計測定による眼圧値は、ゴールドマン圧平眼圧計による眼圧に比べ平均2.66mmHg低かった(95%誤差許容範囲:-3.48~8.80mmHg)。
・患者測定か医師測定かを問わず、反跳式眼圧計で測定した眼圧値は類似しており、同測定法には優れた再現性が認められた(クラス内相関係数:0.903、95%信頼区間[CI]:0.867~0.928)。
・自己眼圧測定に関するアンケートにおいて、完全成功または部分成功が得られた計79例中、56例(71%)が「簡単だった(easy)」、73例(92%)が「快適にできた(comfortable)」、また同程度の患者が「今後も自己測定を行いたい」と回答した。
(ケアネット)