てんかん患者の突然死、腹臥位がリスク因子か 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/10/09 てんかん患者に起きる予期せぬ突然死(SUDEP:sudden unexpected death in epilepsy)と睡眠との関連について、米国・シカゴ大学のAhmer Ali氏らが検討を行った。Epilepsy & behavior誌オンライン版2017年9月13日号の報告。 各種データベースよりSUDEPに関連する文献を検索し、システマティックレビューおよびメタ解析を行った。SUDEPは、患者がベッドで発見された場合、睡眠時と記録された場合、寝室のベッドサイドで発見された場合として評価を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・包括および除外基準を満たした67研究よりSUDEP症例1,025例が抽出され、そのうち880例において概日パターンが記録されていた。 ・SUDEP症例880例のうち、睡眠時の発生が69.3%、覚醒時の発生が30.7%であった。 ・SUDEPは、覚醒時と比較し、睡眠時と有意な関連が認められた(p<0.001)。 ・概日パターンと年齢が記録された272例のサブグループにおいて、40歳以下の患者は、40歳超の患者と比較し、睡眠時に死亡する可能性が高かった(OR:2.0、95%CI:1.0~3.8、p=0.05)。 ・死亡時の概日パターンと体位の両方が記録された114例のサブグループにおいて、睡眠時に死亡した患者の87.6%は腹臥位であり、覚醒時に死亡した患者の52.9%が腹臥位であった。 ・夜間発作の患者は、日中発作の患者よりも死亡率が6.3倍高かった(OR:6.3、95%CI:2.0~19.5、p=0.002)。 著者らは「SUDEPと睡眠は強く関連しており、睡眠はSUDEPの有意なリスク因子であることが示唆された。睡眠に関連するSUDEPリスクは未知であり、多因子性であると考えられるが、腹臥位が主要な要因である可能性がある」としている。 ■関連記事 てんかん患者のアンメットニーズは てんかん重積状態に対する抗てんかん薬処方の変化 せん妄ケアの重要性、死亡率への影響を検証 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Ali A, et al. Epilepsy Behav. 2017 Sep 13. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] 長門流 認定内科医試験BINGO! 総合内科専門医試験エッセンシャル Vol.3(2017/06/07) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【神経内科編】(2016/12/07) 総合内科専門医試験対策 “苦手”科目をクイック復習 2016 (2016/07/29) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.4(2016/06/07) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.3(2016/05/31) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31)