ペムブロリズマブ、PD-L1陽性の胃・食道胃接合部腺がんに承認/FDA 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/10/11 Merck & Co., Inc.,は2017年9月22日、ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)について、米国食品医薬品局(FDA)がPD-L1陽性(Combined Positive Score;CPS≧1%)と判定され、2回以上の前治療後に進行した、局所進行再発・転移性胃がんまたは食道胃接合部腺がん患者の治療薬としてFDAから承認されたと発表した。この適応症は、奏効率および奏効期間のデータを基にFDAの迅速承認制度で承認された。本適応の承認継続は、検証的試験において臨床上の効果の確認が条件となる。 ペムロリズマブの迅速承認は、海外多施設共同非無作為化非盲検マルチコホート試験KEYNOTE-059に登録され、進行胃がんまたは食道胃接合部腺がんに対して2回以上の全身化学療法による前治療歴があり、治療中または治療後に進行した患者259例のデータに基づいて行われた。被験者の選択基準は、フッ化ピリミジン+プラチナ系薬剤の2剤併用療法による前治療歴があること、またはHER2遺伝子陽性患者の場合はHER2遺伝子標的療法による治療歴があることであった。治療は、許容できない毒性または疾患進行が認められるまでペムロリズマブ200 mgを3週間ごとに1回投与した。疾患進行がみられない場合は最大24カ月まで投与した。有効性の主要評価項目は、独立中央判定による奏効率(ORR)および奏効期間(DOR)。 259例中143例(55%)が、PD-L1陽性(CPS≧1%)かつマイクロサテライト安定性(MSS)もしくはマイクロサテライト不安定性(MSI)かミスマッチ修復能(MMR)未確認であった。この143例におけるORRは13.3%(95%CI:8.2~20.0)。CR率は1.4%、PR率は11.9%であった。奏効例19例におけるDORは2.8ヵ月以上~19.4ヵ月以上で、6ヵ月以上が11例(58%)、12カ月以上が5例(26%)であった。 259例中7例(3%)がMSI-Hと判定された。奏効は4例で認められ、このうち1例で完全奏効が認められました。奏効期間は5.3ヵ月以上~14.1ヵ月以上であった。 胃がん患者に認められた副作用は、悪性黒色腫または非小細胞肺がん患者と同様であった。高頻度にみられたペムロリズマブの副作用(20%以上)は倦怠感、筋骨格痛、食欲減退、そう痒症、下痢、悪心、発疹、発熱、咳、呼吸困難および便秘であった。 ■関連記事 ペムブロリズマブ、既治療の転移性胃がんに有望な効果(KEYNOTE-059)/ESMO2017 進行胃がん、ペムブロリズマブの治療効果は?KEYNOTE-059/ASCO2017 ペムブロリズマブの胃がん適応拡大に優先審査:FDA (ケアネット 細田 雅之) 参考文献・参考サイトはこちら KEYNOTE-059試験(Clinical Trials.gov) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 胃がん、ペムブロリズマブによる1次治療の結果(KEYNOTE-062)/ASCO2019 医療一般(2019/06/14) ペムブロリズマブのMSI-High固形がんに対する第II相試験(KEYNOTE-164、158統合解析)/ESMO2019 医療一般(2019/10/25) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 早期TN乳がんの術前・術後ペムブロリズマブ、最終OS結果(KEYNOTE-522)/NEJM(2024/09/27) 複雑病変へのPCI、OCTガイドvs.血管造影ガイド/Lancet(2024/09/27) 重症インフルエンザに対する抗ウイルス薬の有効性(解説:小金丸博氏)(2024/09/27) 転移を有するホルモン感受性前立腺がん、ダロルタミド+ADTがrPFS改善(ARANOTE)/ESMO2024(2024/09/27) 日本人治療抵抗性うつ病に対するケタミン治療の有用性~二重盲検ランダム化比較試験(2024/09/27) サシツズマブ ゴビテカン、トリプルネガティブ乳がんに承認/ギリアド(2024/09/27) アミバンタマブ、化学療法との併用でEGFRエクソン20挿入変異陽性肺がんに承認/ヤンセン(2024/09/27) 患者満足度向上対策をクリニックの6割が実施/医師1,000人アンケート(2024/09/27) 肛門扁平上皮がん1次治療、新規抗PD-1抗体上乗せが有用(POD1UM-30)/ESMO2024(2024/09/27) [ あわせて読みたい ] Dr.岡の感染症プラチナレクチャー 医療関連感染症編(2020/02/10) Dr.林の笑劇的救急問答15<上巻>(2020/01/15) 一発診断(2019/12/11) Dr.林の笑劇的救急問答14<下巻>(2019/08/07) Dr.林の笑劇的救急問答14<上巻>(2019/03/15) 慢性便秘症特集まとめインデックス(2018/12/01)