メラノーマ画像診断、皮膚科医 vs.ディープラーニング

提供元:ケアネット

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公開日:2017/10/24

 

 ディープラーニング・コンピュータ画像認識システムは、メラノーマのダーモスコピー画像を正確に分類し、すべてではないが皮膚科医の精度を上回ることが、ISIC(International Skin Imaging Collaboration)主催の国際コンテスト「ISBI(International Symposium on Biomedical Imaging)チャレンジ2016」で示された。ただし著者は、「今回の研究デザインで得られた結果は、臨床診療に外挿することはできない限定的なものである」としている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年9月29日号掲載の報告。

 研究グループは、ダーモスコピー画像によるメラノーマの診断精度をコンピュータアルゴリズムと皮膚科医とで比較する目的で、25チームの個々のアルゴリズムの結果と、international computer vision melanoma challengeのデータセットからランダムに選択したダーモスコピー画像100例(メラノーマ50例、母斑44例、黒子6例)を用いて検討した。

 個々の自動予測を5つの方法(非学習および機械学習)を用いて「融合」アルゴリズムに統合し、また、8人の皮膚科医が100例の画像について病変の良性・悪性を分類した。

 主な結果は以下のとおり。

・皮膚科医による分類の平均感度は82%、特異度は59%であった。
・分類感度82%における皮膚科医の特異度は、チャレンジアルゴリズムのトップと同程度であり(59% vs.62%、p=0.68)、最良パフォーマンスの融合アルゴリズムよりは低かった(59% vs.76%、p=0.02)。
・ROC面積を比較すると、最良融合アルゴリズムのほうが皮膚科医よりも大きかった(0.86 vs.0.71、p=0.001)。
・今回の研究では、データセットに臨床診療で遭遇する皮膚病変、とくにびまん性病変が含まれていなかった。また、読影者とアルゴリズムに臨床データ(年齢、既往歴、症状など)が提供されていなかった。

(ケアネット)