日本人男性、ストレスでがんリスクが増加~JPHC研究

提供元:ケアネット

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公開日:2017/10/26

 

 がん発症リスク因子としてのストレスについての報告は一貫していない。今回、1990~94年に40~69歳の10万1,708人を登録したJPHC研究(Japan Public Health Center-based Prospective Study)のデータから、知覚されたストレスレベルが高いと男性のがん罹患率が増加する可能性が示唆された。Scientific Reports誌2017年10月11日号に掲載。

 ベースライン時に知覚されたストレスのレベルについて自己申告したものを収集し、5年間の追跡期間を通じてアップデートした。知覚されたストレスとがんリスクの間の関連について、既知の交絡因子すべてで調整したCox比例ハザード回帰モデルを用いて評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・追跡期間(平均17.8年)中に、1万7,161例のがん症例を同定した。

・ベースライン時での知覚されたストレスのレベルとがん発症率との間に関連は認められなかった。しかし、知覚されたストレスの動的変化を考慮すると、ストレスレベルが低かった群と比較して、ストレスレベルが上昇した被験者ではがん全体の発症リスクがわずかに(4~6%)増加することが、時変分析で認められた。

・知覚されたストレスレベルの長期分析により、常にストレスレベルが低かった被験者と比較して、常にストレスレベルが高かった被験者の過剰リスクは11%(95%信頼区間:1~22%)であった。この関連は男性(20%の過剰リスク)に限定され、とくに、喫煙者、飲酒者、肥満者、がんの家族歴のない被験者で強かった。

(ケアネット 金沢 浩子)