NSCLC1次治療における血漿サンプルEGFR変異検査の評価:FLAURA/WCLC2017 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/11/14 EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対する1次治療の第III試験FLAURAにおいて、オシメルチニブは標準EGFR-TKI(ゲフィチニブ、エルロチニブ)と比べ、有意に無増悪生存期間(PFS)を延長した。 これらの患者はベースライン時に組織検査によりEGFR変異(Ex19del/L858R)が確認されている。一方、血漿ctDNA検査は低リスクであり、組織生検に代わるEGFR変異の評価手段となる可能性がある。横浜で開催された第18回世界肺癌学会(WCLC)では、FLAURA試験対象患者における、組織検査と血漿ctDNA検査との一致率と、血漿ctDNA検査でのEGFR変異陽性患者におけるPFSの成績を、米国・H.Lee Moffitt Cancer Center & Research InstituteのJhanelle E. Gray氏が発表した。 フル解析セット(施設評価・中央評価によるEGFR変異陽性患者)556例のうち、血漿サンプルでEGFR変異陽性となった患者は65%、変異陰性となった患者は22%、評価不能は13%であった。組織検査との一致率は、exon19では87%、L858Rでは88%であり、組織検査と血漿サンプル検査との高い相関が認められた。 フル解析セットにおけるPFSは、オシメルチニブ群18.9ヵ月、標準EGFR-TKI群10.2ヵ月(HR:0.46、95%CI:0.37~0.57、p<0.0001)であったのに対し、血漿サンプルでEGFR変異陽性の患者(組織陽性・血漿陽性)のPFSはオシメルチニブ群15.2ヵ月、標準EGFR-TKI群9.7ヵ月と、フル解析同様、オシメルチニブ群で有意に良好であった(HR:0.44、95%CI:0.34~0.57、p<0.0001)。一方、血漿サンプルでEGFR変異陰性の患者(組織陽性・血漿陰性)のPFSはオシメルチニブ群23.5ヵ月、標準EGFR-TKI群15.0ヵ月であり(HR:0.48、95%CI:0.28~0.80、p<0.0047)、PFSは両群で延長した。 これらの結果からGray氏は、オシメルチニブの1次治療において、血漿ctDNAによるEGFR変異検査の臨床的有用性を支持するものであると述べた。 ■参考 FLAURA試験(Clinical Trials.gov) ■関連記事 HR0.46、オシメルチニブが1次治療で標準治療を上回る(FLAURA)/ESMO2017 (ケアネット 細田 雅之) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 新PCIデバイスbioadaptor、アウトカム改善の可能性/Lancet(2024/11/13) 市中肺炎の入院患者、経口抗菌薬単独での有効性(2024/11/13) 本邦初、がん患者の「気持ちのつらさ」のガイドライン/日本肺癌学会(2024/11/13) 乾癬への生物学的製剤、真菌感染症のリスクは?(2024/11/13) MCIの認知機能改善に、最適な運動とその量は?~ネットワークメタ解析(2024/11/13) 尿路上皮がん1次治療の更新は30年ぶり、ペムブロリズマブ+EV併用療法とは/MSD(2024/11/13) 米国成人の10人に6人は炎症誘発性の食生活(2024/11/13) 急性白血病の発症時点でさまざまな眼科所見が観察される(2024/11/13) [ あわせて読みたい ] 私が出合ったマジヤバイ胸部画像読本【Dr.倉原の“俺の本棚”】第2回(2018/02/13) Dr.林の笑劇的救急問答13<下巻>(2018/02/07) Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(下巻)(2018/02/07) Dr.林の笑劇的救急問答13<上巻>(2017/10/07) 国立国際医療研究センター総合診療科presents 内科インテンシブレビュー2017 (2枚組)(2017/09/07) Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(上巻)(2017/09/07)