ADHDドライバー、トレーニングで危機感知能を改善できるか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/11/16 ADHDを有する若者のドライバーは、同世代の人よりも交通事故傷害リスクが高い。このリスク増加は、危機感知能が低いことと相関する。これまで、ADHDを有する若者のドライバーを対象に、コンピュータ技術を用いた危険感知訓練について調査した研究はほとんどなかった。オーストラリア・School of Allied HealthのC.R. Bruce氏らは、ドライブスマートトレーニングを受けたADHDを有する若者のドライバーの、危機感知能における群間および対象者内の変化の有無や重要性を確認し、訓練により改善した危機感知能の変化が、時間が経過しても維持されるかを調査した。Accident; analysis and prevention誌オンライン版2017年10月14日号の報告。 本研究は、実行可能性調査として実施されたオーストラリアの無作為化比較試験である。コントロール群として、遅延治療群が含まれた。ADHDと診断されたドライバー25例を対象に、即時介入群またはコントロール群に無作為化した。即時介入群は、ドライブスマートというコンピュータアプリケーションを用いて、トレーニングを行った。コントロール群は、ドキュメンタリービデオを視聴し(コントロール状態)、その後ドライブスマートトレーニングを実施した。対象者の危機感知能は、Hazard Perception Test(HPT)を用いて測定した。 主な結果は以下のとおり。 ・ベースラインスコアを調整したのち、介入後のHPT変化スコアは、群間で有意な差が認められ、即時介入群が支持された。 ・効果の重要性は、大きかった。 ・コントロール群内の介入効果は有意ではなかった。 ・即時介入群における6週間のフォローアップにおいて、有意な維持効果が認められた。 著者らは「ADHDドライバーに対するドライブスマートトレーニングは、危機感知能を大幅に改善し、一定期間持続する。トレーニングに対する多様的なアプローチは、維持を容易にすることが示された。本研究より、本格的な試験が実施可能である」としている。 ■関連記事 ADHD発症しやすい家庭の傾向 認知症ドライバーの運転停止を促すためには てんかんドライバーの事故率は本当に高いのか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Bruce CR, et al. Accid Anal Prev. 2017 Oct 14. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 出産女性へのトラネキサム酸予防投与、出血リスクを軽減/Lancet(2024/11/08) 無症候性重症AS、早期TAVR vs.経過観察/NEJM(2024/11/08) 早期初潮がうつ病と関連〜メタ解析(2024/11/08) 運動しても血圧が低下しない人とは?(2024/11/08) MET exon14スキッピングNSCLC、グマロンチニブの日本人データ(GLORY)/日本肺癌学会(2024/11/08) 乳がん薬物療法の最新トピックス/日本癌治療学会(2024/11/08) 次世代のCAR-T細胞療法―治療効果を上げるための新たなアプローチ/日本血液学会(2024/11/08) 大半の米国人が睡眠不足で日中の眠気に悩まされている(2024/11/08) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) Dr.ゴン流ポケットエコー簡単活用術(2014/06/11) 診療よろず相談TV(2013/10/25) ここから始めよう!みんなのワクチンプラクティス ~今こそ実践!医療者がやらなくて誰がやるのだ~(2014/05/15) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24)