睡眠不足がADHDの有無にかかわらず小児に及ぼす負の影響 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/12/04 睡眠に関する問題は、注意欠如多動症(ADHD)においてよく報告されているが、典型的な発達(TD)においてもよく見られる特徴である。英国・ロンドン大学(UCL)のFrances Le Cornu Knight氏らは、睡眠とADHD様行動や認知不注意との関連について、ADHD児とTD児においてどのように出現するかを検討した。Behavioral sleep medicine誌オンライン版2017年10月26日号の報告。 対象は、ADHDと診断された5~11歳の子供18例および年齢の一致したTD児20例。睡眠プロファイルは、子供の睡眠習慣に関するアンケートおよびアクチグラフ測定を用いて評価した。行動機能は、Conners' Parent Report Scaleを用い、注意力は、コンピューター化されたConners' Continuous Performance Taskを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・実際の睡眠時間に差がないにもかかわらず、ADHD群では睡眠の質が悪かった ・TD児の睡眠の質の低下は、注意力と関連がないにもかかわらず、ADHD様行動の増加が予測された。 ・行動との関連がないにもかかわらず、ADHD児の注意力低下を予測する睡眠の質の低下に関して一貫した傾向が認められた。 著者らは「不十分な睡眠の質は、さまざまな形で発達のサブグループに影響を及ぼす。ADHD児では、睡眠不足が注意欠如を悪化させ、TD児では、ADHD様行動を誘発した。本知見は、小児期の過剰なADHD診断および睡眠に基づく介入の必要性を考えるうえで、重要な意味を持つ。まずは、すべての子供において、より良い睡眠習慣を促進することが重要である」としている。 ■関連記事 ADHD発症しやすい家庭の傾向 小児攻撃性に対する抗精神病薬の効果~メタ解析 ADHD児への運動効果は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Knight FLC, et al. Behav Sleep Med. 2017 Oct 26. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] ATTR型心アミロイドーシス、CRISPR-Cas9遺伝子編集療法が有望/NEJM(2024/12/23) 更年期のホルモン補充療法、心血管疾患のリスクは?/BMJ(2024/12/23) 完璧なHIV感染予防法にアクセスできるのは?(解説:岡慎一氏)(2024/12/23) 温水洗浄便座を使用する?しない?その理由は/医師1,000人アンケート(2024/12/23) 38種類の抗うつ薬と自殺リスク、小児に対するブラックボックス警告はいまだに有効か(2024/12/23) 帯状疱疹ワクチン、65歳を対象に定期接種化を了承/厚労省(2024/12/23) TN乳がん術前化学療法への周術期アテゾリズマブ上乗せ、EFSを改善せず/SABCS2024(2024/12/23) 増える成人食物アレルギーと新規アレルゲン、「食べたい」に応えるために/日本アレルギー学会(2024/12/23) 「ストレス食い」の悪影響、ココアで軽減の可能性(2024/12/23) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) Dr.ゴン流ポケットエコー簡単活用術(2014/06/11) 診療よろず相談TV(2013/10/25) ここから始めよう!みんなのワクチンプラクティス ~今こそ実践!医療者がやらなくて誰がやるのだ~(2014/05/15) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24)