眼瞼炎は、メタボリックシンドローム(MetS)と有意に関連していることを、台湾・Show Chwan Memorial HospitalのChia-Yi Lee氏らが、台湾のLongitudinal Health Insurance Database(LHID)を用いて後ろ向きに症例対照研究を行い明らかにした。著者は、「眼瞼炎は初期のMetSであることを示すサインとして役立つ可能性がある。今後は、重症度の観点から眼瞼炎とMetSとの関連を調査すべきであろう」とまとめている。British Journal of Ophthalmology誌オンライン版2017年11月16日号掲載の報告。
研究グループは、台湾のLHIDを用い、2009~13年のデータを解析した。適格基準は、国際疾病分類(ICD)第9版の診断コードに従い、眼瞼炎と診断された患者で、法的盲、眼球除去、眼腫瘍の既往、眼瞼炎の診断と同時に抗菌薬治療が開始された患者は除外した。
眼瞼炎患者群と年齢、性別および疾患をマッチさせた非眼瞼炎患者(対照)群について、眼瞼炎とMetSとの関連について、多重Cox回帰モデルを用いた多変量解析にて評価した。
主な結果は以下のとおり。
・解析対象は、眼瞼炎患者群1万93例、対照群4万372例であった。
・条件付きロジスティック回帰分析の結果、脂質異常症および冠動脈疾患の累積確率が高いことが示された。
・補正後、眼瞼炎患者群は対照群に比べ、新規MetSの発症率が高かった。
・サブグループ解析で、脂質異常症と冠動脈疾患は、眼瞼炎の先行発症と有意な相関が認められた。高血圧症、糖尿病、インスリン抵抗性と、眼瞼炎との間には相関は認められなかった。
(ケアネット)