電子タバコ(e-cigarettes)は禁煙を促進するという研究結果がある一方、喫煙開始のきっかけになるリスクを懸念する意見もある。その評価を確認すべく米国では、若年の非喫煙者の電子タバコ使用と、それに続くタバコの喫煙開始との関連性評価を目的としたコホート研究が行われた。The American journal of medicine誌オンライン版2017年12月10日号に掲載。
試験概要
・前向きコホート試験。ベースライン時(2013年3月)と追跡時(2014年10月)を比較。
・対象:米国人の97%を代表する18~30歳の若年成人の非喫煙者のサンプリングフレームを使用
・主要評価項目:電子タバコ使用者(ベースライン時)と非使用者の18ヵ月後の従来タバコ喫煙の開始頻度
主な結果
・ ベースラインの非喫煙者1,506人のうち915人(60.8%)で追跡を完了。
・ ベースライン時に電子タバコを使用した非喫煙者は2.5%(3,204万393人中8万10人)であった。
・ 従来タバコの喫煙開始頻度は、電子タバコ使用者の47.7%に対し、非利用者では10.2%(p=0.001)であった。
・ ベースライン時の電子タバコ使用は、18ヵ月時の喫煙開始の独立した関連因子であった(調整オッズ比: 6.8、95%CI:1.7~28.3)。
本邦では、ニコチン含有の製品は認可されていないため状況は異なるが、筆者らは、この結果は、非喫煙者において電子タバコの使用を減少させる政策および教育的介入を支持するものだとしている。
■参考
全米たばこ調査による分析結果
非燃焼・加熱式タバコや電子タバコに対する日本呼吸器学会の見解
■関連記事
“新型タバコ”でタバコの害なくせますか?
新型タバコでニコチン依存解消せず
(ケアネット 細田 雅之)