角膜可塑性は緑内障のリスク因子

提供元:ケアネット

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公開日:2018/01/24

 

 緑内障発症のリスク因子として角膜可塑性(CH)の役割が注目されている。米国・デューク大学のCarolina N. Susanna氏らは、前向き観察コホート研究において、CH低値が緑内障の視野欠損発症リスクの増加と有意に関連していることを明らかにした。著者は、「本研究は前向きの縦断研究であり、緑内障発症のリスク因子としてのCHの役割を支持する結果である」とまとめている。American Journal of Ophthalmology誌オンライン版2018年1月2日号掲載の報告。

 研究グループは、緑内障疑いの199例287眼(ベースライン時の視野は正常)を、平均3.9±1.8年間、観察した。観察期間中、標準的な自動視野検査で3回連続して異常を認め、パターン標準偏差(PSD)が5%未満または緑内障半視野テスト(Glaucoma Hemifield Test)が正常範囲外(いずれか一方、もしくは両方)を、緑内障発症と定義した。

 ベースライン時のCH値測定には、Ocular Response Analyzer(ORA)を用いた。

 経時的な視野欠損の発症と関連するベースライン時の因子について、単変量および多変量Cox回帰モデルを用いて解析した。

 主な結果は以下のとおり。

・観察期間中、54眼(19%)が再現性のある視野欠損を発症した。
・緑内障を発症した患者は、発症しなかった患者と比較し、ベースライン時のCH値が有意に低かった(9.5±1.5mmHg vs.10.2±2.0mmHg、p=0.012)。
・CH値が1mmHg低下するごとに、緑内障発症リスクが21%上昇した(95%信頼区間[CI]:1.04~1.41、p=0.013)。
・多変量解析の結果、CH値は、年齢、眼圧、中心角膜厚、PSDおよび治療に関して補正した場合でもなお、緑内障発症の予測因子であることが認められた(ハザード比:1.20、95%CI:1.01~1.42、p=0.040)。

(ケアネット)