座って過ごすことと卵巣がん発症率の関連は疫学研究の75%で報告されているが、わが国では検討されていない。今回、大規模な全国コホート研究であるJACC研究(Japan Collaborative Cohort Study)で、主な座位行動であるテレビ視聴時間と卵巣がん発症の関連を調べたところ、1日平均視聴時間が5時間以上の人は2時間未満の人より2.15倍発症リスクが高かった。この結果から、座って過ごす時間の短縮が卵巣がん予防に有益である可能性が示唆された。Cancer causes & control誌オンライン版2018年1月16日号に掲載。
本研究には、ベースライン時にがんの既往がない40~79歳の女性3万4,758人が参加。1日の平均テレビ視聴時間と卵巣がん発症率との関連を検討した。卵巣がん発症率におけるハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を逆確率重み付き競合リスクモデルを用いて算出した。
主な結果は以下のとおり。
・中央値19.4年の追跡期間中、59人が卵巣がん(ICD10:C56)、2,706人が他のがんを発症し、4,318人が死亡した。
・テレビを5時間以上視聴した参加者は、2時間未満の参加者よりも卵巣がんを発症する可能性が高かった(HR:2.15、95%CI:1.54~2.99)。
(ケアネット 金沢 浩子)