PARP阻害剤オラパリブ卵巣がんに国内承認~BRCA変異問わず~

提供元:ケアネット

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公開日:2018/01/23

 

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム)は2018年1月19日、「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法」を効能・効果とした本邦初のPARP阻害剤オラパリブ(商品名:リムパーザ錠)の国内における製造販売承認を取得したと発表。

オラパリブは世界初のPARP阻害剤

 オラパリブは、DNA損傷応答(DDR)機能を活用した新規の作用機序を持つ世界初のPARP阻害薬。DNAの相同組換え修復機構が機能していないがん細胞に特異的に細胞死を誘導する画期的な作用機序を有する。

 再発卵巣がんは根治が困難なことから、延命やQOLの改善を目的とした治療が行われるが、オラパリブはがん細胞に特異的にはたらく分子標的薬であるため、良好な安全性プロファイルを保ちながら、病勢進行や死亡のリスクを下げることが期待される。

 同剤は、米国食品医薬品局(FDA)から、プラチナ製剤感受性再発卵巣がんの維持療法、3回以上の化学療法の治療歴がある病的変異または病的変異疑いに分類される生殖細胞系列BRCA(gBRCA)遺伝子変異陽性進行卵巣がん、さらにgBRCA遺伝子変異陽性転移乳がんの承認を取得。欧州連合(EC)からは、BRCA遺伝子変異陽性のプラチナ製剤感受性再発卵巣がんの維持療法の承認を受けている。また日本では、BRCA遺伝子変異陽性の手術不能または再発乳がんに承認申請中である。

PARP阻害剤オラパリブの無償提供

 アストラゼネカは、再発卵巣がん患者の緊急の要望に応えるために、厚生労働省の定める「保険外併用療養費制度」のもとで、PARP阻害剤オラパリブの無償提供を実施する。

 本剤の提供は、適正使用の観点より、本剤開発治験実施施設等の限定された施設において、承認された適応、用法・用量に従ってのみ使用すること、無償提供期間中に弊社が実施する市販直後調査に準じた活動を含む適正使用推進等の各種安全対策にご協力することを理解・合意し、無償提供を希望する施設でのみ実施する。また、本剤提供は製造販売承認取得日以降、各施設での準備が整った時点から開始し薬価収載前日に終了する。

(ケアネット 細田 雅之)