初期アルツハイマー病におけるエアロビクスエクササイズの影響 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/02/12 アルツハイマー病患者は、自立した日常生活動作が妨げられる。アルツハイマー病患者の自立を支えるための介入を特定し、介護の経済的および心理的な負担を軽減することは不可欠である。米国・カンザス大学のEric D. Vidoni氏らは、初期アルツハイマー病患者の機能障害および介護の時間について調査を行った。Journal of geriatric physical therapy誌オンライン版2017年12月28日号の報告。 本調査は、アルツハイマー病患者に対する26週間の有酸素運動(AEx群)とストレッチやトーニング(toning)(ST群)の効果を比較したランダム化比較試験の二次解析である。機能依存性、非公式な介護の時間、認知機能の評価にはそれぞれ、認知症のための障害評価表(Disability Assessment for Dementia:DAD)、認知症に対するリソース使用率(Resources Utilization in Dementia Lite:RUD Lite)、認知機能評価バッテリー(standard cognitive battery)を用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・ST群の有意な機能低下(4%、F=4.2、p=0.04)と比較し、AEx群では機能が安定していた。 ・これは、とくに手段的日常生活動作においてより複雑であり、26週以上でST群が8%減少(F=8.3、p=0.006)したのに対し、AEx群では1%の上昇が認められた。 ・記憶の変化は、手段的日常生活動作のパフォーマンス低下を有意に予測する因子であった(r=0.28、95%CI:0.08~∞、p=0.01)。 ・非公式な介護の時間は、両群間で差は認められなかった。 著者らは「この分析では、初期アルツハイマー病患者の手段的日常生活動作の具体的な利点を明らかにすることにより、最近の研究結果を補完し、認知障害を有する患者に対する運動介入の価値を裏付けている」としている。 ■関連記事 日本人高齢者、運動でアルツハイマー病リスク軽減:九州大学 認知症への運動療法、効果はあるのか アルツハイマー介護負担、日本と台湾での比較:熊本大学 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Vidoni ED, et al. J Geriatr Phys Ther. 2017 Dec 28. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] Dr.林の笑劇的救急問答13<下巻>(2018/02/07) Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(下巻)(2018/02/07) エビデンスが本の中で踊っている【Dr.倉原の“俺の本棚”】第1回(2018/01/15) Dr.志賀のパーフェクト!基本手技 (2018/01/07) 医師が選んだ"2017年の10大ニュース"! 【CareNet.com会員アンケート結果発表】(2017/12/04) Dr.徳田のすぐできるフィジカル超実技(2017/11/07) Dr.林の笑劇的救急問答13<上巻>(2017/10/07) 国立国際医療研究センター総合診療科presents 内科インテンシブレビュー2017 (2枚組)(2017/09/07) Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(上巻)(2017/09/07)