マイボーム腺機能不全や眼表面摩擦関連疾患でドライアイが重症化

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2018/03/07

 

 マイボーム腺機能不全(MGD)や眼表面摩擦関連疾患(FRD)は、ドライアイの重症度にどのような影響を及ぼしているのか。慶應義塾大学のChi Hoang Viet Vu氏らDry Eye Cross-Sectional Study in Japan Study Groupは、約450例を対象とした横断観察研究において、MGD、FRDまたはその両方が存在すると、ドライアイの状態やサブタイプに関係なく涙液層破壊時間(TBUT)が有意に短縮していることを明らかにした。Ophthalmology誌オンライン版2018年2月16日号掲載の報告。

 研究グループは、ドライアイ患者449例(男性63例、女性386例、平均年齢62.6歳[範囲21~90歳])を登録し、自覚症状、眼表面、涙液機能、ならびにMGDおよびFRD(上輪部角結膜炎、結膜弛緩症およびlid wiper epitheliopathy)について調査した。

 主要評価項目は、シルマー値、TBUTおよび角結膜上皮スコアとした。

 主な結果は以下のとおり。

・449例中、231例(51.4%)が涙液減少型ドライアイ(ADDE)、109例(24.3%)がTBUT短縮型ドライアイであった。
・MGDを有する患者は、MGDのない患者に比べTBUTが短かったが、他の眼所見に差はなかった。
 全体:MGDあり1.97±1.02秒、MGDなし2.94±1.63秒、p<0.001
 ADDE患者:MGDあり1.94±1.08秒、MGDなし2.77±1.61秒、p<0.001
 TBUT短縮型ドライアイ患者:MGDあり2.07±0.97秒、MGDなし2.94±1.23秒、p=0.01
・ADDE患者において、FRDを有する患者はFRDのない患者と比べてTBUTが短かった(ADDE/FRDあり2.08±1.39秒、ADDE/FRDなし2.92±1.54秒、P<0.001)。

(ケアネット)