アテゾリズマブ併用療法、進行肺がん1次治療でOS有意差(IMpower150) 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/04/03 F. ホフマン・ラ・ロシュ社は3月26日、第III相臨床試験IMpower150試験に関し、中間解析において主要評価項目の一つである全生存期間(OS)の延長が示され、進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療におけるアテゾリズマブ(商品名:テセントリク)とベバシズマブ、カルボプラチン、パクリタキセル(化学療法)の併用により、ベバシズマブ、カルボプラチン、パクリタキセルの併用に比べ、生存期間の延長が示されたことを発表した。OSの延長は、PD-L1発現状況によって層別化されたグループを含む、主要なサブグループに共通して認められた。アテゾリズマブとベバシズマブ、カルボプラチン、パクリタキセルの安全性は、これまで各薬剤で認められている安全性プロファイルと一致しており、本併用療法で新たな安全性のシグナルは確認されなかった。これらの成績は、今後開催されるがん関連学会で発表される予定。 IMpower150試験は、化学療法未施行のStageIV非扁平上皮NSCLC患者を対象に、アテゾリズマブとカルボプラチン、パクリタキセルの併用に、ベバシズマブを追加または追加しない場合の有効性と安全性を、カルボプラチンとパクリタキセル、ベバシズマブとの併用療法と比較検討した、オープンラベル無作為化多施設共同第III相臨床試験。主要評価項目は、ALKまたはEGFRの遺伝子変異患者を除くITT解析集団、ならびにT細胞活性調整因子(Teff)の遺伝子発現により層別化した集団におけるPFSおよびITT解析集団のOS。1,202例の患者を以下のA~C群に1:1:1の割合で無作為化し、各群の投与レジメンに従い3週に1回間隔で薬剤を投与した。 A群:アテゾリズマブ(1,200mg)+カルボプラチン(AUC6)+パクリタキセル(200mg/m2) B群:アテゾリズマブ(1,200mg)+カルボプラチン(AUC6)+パクリタキセル(200mg/m2)+ベバシズマブ(15mg/kg) C群:カルボプラチン(AUC6)+パクリタキセル(200mg/m2)+ベバシズマブ(15mg/kg) アテゾリズマブは国内で、本年1月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」の適応症において、承認を取得している。 ■関連記事 atezolizumab併用療法、進行肺がん1次治療の第III相試験でPFSに有意差(IMpower150)/ESMO Immuno Oncology 2017 アテゾリズマブ、小細胞肺がんのOS、PFS改善(IMpower133)/NEJM (ケアネット 細田 雅之) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 新PCIデバイスbioadaptor、アウトカム改善の可能性/Lancet(2024/11/13) 市中肺炎の入院患者、経口抗菌薬単独での有効性(2024/11/13) 本邦初、がん患者の「気持ちのつらさ」のガイドライン/日本肺癌学会(2024/11/13) 乾癬への生物学的製剤、真菌感染症のリスクは?(2024/11/13) MCIの認知機能改善に、最適な運動とその量は?~ネットワークメタ解析(2024/11/13) 尿路上皮がん1次治療の更新は30年ぶり、ペムブロリズマブ+EV併用療法とは/MSD(2024/11/13) 米国成人の10人に6人は炎症誘発性の食生活(2024/11/13) 急性白血病の発症時点でさまざまな眼科所見が観察される(2024/11/13) [ あわせて読みたい ] Dr.林の笑劇的救急問答14<上巻>(2019/03/15) “医療者ではできない”がん患者支援…がん経験者コミュニティ「5years」【Oncologyインタビュー】第3回(2019/03/04) EGFR変異陽性例のSCLC転化とは何なのか? どう対応するか?【忙しい医師のための肺がんササッと解説】第5回(2019/02/28) 膀胱がん、BCG投与後のPD-L1発現誘導【Oncologyインタビュー】第2回 (2019/02/18) 高齢者HER2陽性乳がんに、安全かつ有効な化学療法を…JCOG1607(HERB TEA)【Oncologyインタビュー】第1回(2019/02/15) 志水太郎の診断戦略ケーススタディ(2019/02/15) 高齢者に対するICIは効きが悪い?【忙しい医師のための肺がんササッと解説】第4回(2019/01/17) Dr.長尾の胸部X線クイズ 上級編 (2019/01/15) オシメルチニブの耐性機序【忙しい医師のための肺がんササッと解説】第3回(2018/12/14)