アルコール以外の飲料摂取とうつ病リスク 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/04/10 最近の疫学研究では、アルコール以外のさまざまな種類の飲料の消費とうつ病リスクとの関連が検討されているが、その関連性は矛盾した結果として報告されている。韓国・慶煕大学校のDami Kang氏らは、この関連性についての定量的な評価を行うため、観察研究のシステマティックレビューおよびメタ解析を行った。European journal of clinical nutrition誌オンライン版2018年3月2日号の報告。 PubMedおよびWeb of Scienceのデータベースより、2017年2月までの適格な研究を検索し、それらの参考文献リストを調査した。重要な交絡因子を調整した後、プールされた相対リスク比(RR)と95%信頼区間(CI)を算出するため、ランダム効果モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・飲料消費とうつ病との関連を研究した15件の観察研究(横断研究:9件、プロスペクティブ研究:6件)より、2万572例のうつ病患者を含む34万7,691例が抽出された。 ・コーヒーの消費に関して、高消費群vs.低消費群のプールされたRRは、0.73(95%CI:0.59~0.90)であった。 ・紅茶の消費に関して、高消費群vs.低消費群のプールされたRRは、0.71(95%CI:0.55~0.91)であった。 ・しかし、ソフトドリンクの消費に関しては、高消費群vs.低消費群のプールされたRRは、1.36(95%CI:1.24~1.50)であった。 ・これらの関連性では、性別、国、高消費のカテゴリおよび、アルコールや喫煙、身体活動といった調整因子による変化は認められなかった。 著者らは「コーヒーや紅茶の摂取が多いほど、うつ病リスクは低下し、ソフトドリンクの摂取が多いほど、うつ病リスクは上昇することが示唆された。今後、うつ病リスクに対するさまざまな種類の飲料の影響を明らかにし、決定的なエビデンスを提供するためには、よく設計された大規模な研究が必要である」としている。 ■関連記事 アルツハイマーやうつ病の予防、コーヒーに期待してよいのか 1日1杯のワインがうつ病を予防 とくに女性は要注意!コーヒーの飲み過ぎでうつ病に (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Kang D, et al. Eur J Clin Nutr. 2018 Mar 2. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 コーヒー摂取とうつ病や不安症リスクとの関連 医療一般(2023/07/18) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 新PCIデバイスbioadaptor、アウトカム改善の可能性/Lancet(2024/11/13) 糞便中ヘリコバクター・ピロリ抗原検査を用いた検診は胃がん予防に有効か(解説:上村直実氏)(2024/11/13) 市中肺炎の入院患者、経口抗菌薬単独での有効性(2024/11/13) 本邦初、がん患者の「気持ちのつらさ」のガイドライン/日本肺癌学会(2024/11/13) 乾癬への生物学的製剤、真菌感染症のリスクは?(2024/11/13) MCIの認知機能改善に、最適な運動とその量は?~ネットワークメタ解析(2024/11/13) 尿路上皮がん1次治療の更新は30年ぶり、ペムブロリズマブ+EV併用療法とは/MSD(2024/11/13) 米国成人の10人に6人は炎症誘発性の食生活(2024/11/13) 急性白血病の発症時点でさまざまな眼科所見が観察される(2024/11/13) [ あわせて読みたい ] Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) 災害対策まとめページ(2024/02/05) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24)