最近の疫学研究では、アルコール以外のさまざまな種類の飲料の消費とうつ病リスクとの関連が検討されているが、その関連性は矛盾した結果として報告されている。韓国・慶煕大学校のDami Kang氏らは、この関連性についての定量的な評価を行うため、観察研究のシステマティックレビューおよびメタ解析を行った。European journal of clinical nutrition誌オンライン版2018年3月2日号の報告。
PubMedおよびWeb of Scienceのデータベースより、2017年2月までの適格な研究を検索し、それらの参考文献リストを調査した。重要な交絡因子を調整した後、プールされた相対リスク比(RR)と95%信頼区間(CI)を算出するため、ランダム効果モデルを用いた。
主な結果は以下のとおり。
・飲料消費とうつ病との関連を研究した15件の観察研究(横断研究:9件、プロスペクティブ研究:6件)より、2万572例のうつ病患者を含む34万7,691例が抽出された。
・コーヒーの消費に関して、高消費群vs.低消費群のプールされたRRは、0.73(95%CI:0.59~0.90)であった。
・紅茶の消費に関して、高消費群vs.低消費群のプールされたRRは、0.71(95%CI:0.55~0.91)であった。
・しかし、ソフトドリンクの消費に関しては、高消費群vs.低消費群のプールされたRRは、1.36(95%CI:1.24~1.50)であった。
・これらの関連性では、性別、国、高消費のカテゴリおよび、アルコールや喫煙、身体活動といった調整因子による変化は認められなかった。
著者らは「コーヒーや紅茶の摂取が多いほど、うつ病リスクは低下し、ソフトドリンクの摂取が多いほど、うつ病リスクは上昇することが示唆された。今後、うつ病リスクに対するさまざまな種類の飲料の影響を明らかにし、決定的なエビデンスを提供するためには、よく設計された大規模な研究が必要である」としている。
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