原発不明悪性黒色腫(MUP)の疫学はよくわかっていない。米国・ケース・ウェスタン・リザーブ大学附属病院のJeffrey F. Scott氏らは、米国の地域がん登録を用いて解析を行い、StageIV MUPの発生率が増加しており、その予後因子は年齢や外科治療など、原発既知のStageIV悪性黒色腫(MKP)と類似していることを明らかにした。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2018年3月23日号掲載の報告。
研究グループは、住民ベースのがん登録においてStageIV MUPの特徴を明らかにするため解析を行った。Surveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)プログラムのSEER-18(1973~2014年)を用い、StageIV MUP例を確認するための新しい検索アルゴリズムを開発し、StageIV MUPとStageIV MKPについて、年齢標準化発生率、人口統計学的特性、補正後疾患特異的生存率(DSS)およびハザード比などを算出した。
主な結果は以下のとおり。
・SEER-18で1973~2014年の間に、StageIV MUP患者322例、StageIV MKP患者1万2,796例が確認された。
・StageIV MUPの発生率は、とくに30歳未満で増加していた。
・多変量解析の結果、StageIV MUPの負の予後因子として、50歳以上、外科治療なしが示された。
・MKPと比較しStageIV MUPでは、相対生存率は高かった。しかし、5年補正後DSSについては、その高さは示されなかった。
(ケアネット)