思春期の双極I型障害における睡眠変動と衝動性の関連 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/06/15 睡眠障害と衝動性は、双極性障害(BD)の経過を予測する重要な因子である。睡眠障害は衝動性を強めることが示唆されており、これら2つの要因が、BDにおいてどのような相互作用を有するかについての研究は、あまり行われていない。思春期は、BD発症において非常に重要な時期であり、衝動性の増大や実質的な睡眠の変化と関連することが多い。米国・スタンフォード大学のAnda Gershon氏らは、睡眠障害が思春期の衝動性を高めること、その作用がBD患者においてより顕著であるとの仮説の検証を試みた。Bipolar disorders誌オンライン版2018年5月20日号の報告。 対象は、13~19歳の双極I型障害(BD-I)患者33例(平均年齢:16.2±1.66歳、女性:54.5%)と健常対照群26例(平均年齢:15.5±1.45歳、女性:55.6%)で、過去1週間の就寝時刻、起床時刻、睡眠時間を就学日と週末に分けて報告し、衝動性に関する自己報告アンケートを完了した。衝動性に対する睡眠の影響およびBD患者での影響について、ステップワイズ回帰分析を用いて調査した。 主な結果は以下のとおり。 ・思春期のBD患者では、対照群と比較し、有意に高い衝動性、より遅い起床時刻、起床時刻の変動、就学日の就寝時刻や睡眠時間の変動が認められた。 ・思春期のBD患者における、就学日と週末の睡眠時間のより大きな変動は、対照群と比較し、衝動性との有意な関連が認められた。 著者らは「本検討より、思春期のBD患者の衝動性に対し、睡眠は重要な影響を及ぼすことが示唆された。睡眠の習慣を確立することが、思春期のBD患者にとって重要な治療目標となりうることを示すエビデンスは増加している」としている。 ■関連記事 双極性障害で高率にみられる概日リズム睡眠障害:東医大 境界性パーソナリティ障害の自殺リスク、ポイントは睡眠の改善か 不眠症になりやすい食事の傾向 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Gershon A, et al. Bipolar Disord. 2018 May 20. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 高リスク2型DM患者の降圧目標、120mmHg未満vs.140mmHg未満/NEJM(2024/11/28) 血流感染症の抗菌薬治療、7日間vs.14日間/NEJM(2024/11/28) HR+HER2-早期乳がんの遠隔転移再発率の低下(解説:下村昭彦氏)(2024/11/28) 局所進行子宮頸がんに対するペムブロリズマブ+同時化学放射線療法が承認/MSD(2024/11/28) 多発性骨髄腫の治療継続、医師と患者の認識にギャップ/J&J(2024/11/28) 果物が大腸がんリスクを抑える~メンデルランダム化解析(2024/11/28) mavacamtenの長期使用で中隔縮小療法を回避/AHA2024(2024/11/28) 砂糖の摂取量とうつ病や不安症リスクとの関連〜メタ解析(2024/11/28) オンラインで受けるバーチャルヨガは腰痛軽減に効果的(2024/11/28) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) Dr.ゴン流ポケットエコー簡単活用術(2014/06/11) 診療よろず相談TV(2013/10/25) ここから始めよう!みんなのワクチンプラクティス ~今こそ実践!医療者がやらなくて誰がやるのだ~(2014/05/15) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24)