出産時の母親、父親の年齢および親の年齢差と子供のてんかんリスクとの関連について、デンマーク・オーフス大学のJulie W. Dreier氏らが検討を行った。Epilepsia誌オンライン版2018年6月13日号の報告。
研究グループは、1981~2012年にデンマークで生まれたすべての単生児について、プロスペクティブ人口ベースレジストリ研究を実施した。Cox回帰分析を用いて、てんかんのハザード比(HR)および95%信頼区間(95%CI)を推定し、交絡調整を行った。
主な結果は以下のとおり。
・研究期間中に158万7,897例、合計2,500万人年をフォローアップし、てんかん患者2万1,797例を抽出した。
・母親の年齢が20歳未満で、父親が母親より5歳以上年上の夫婦に生まれた子供において、てんかんの過剰なリスクが認められた(HR:1.17、95%CI:1.07~1.29)。
・両親の年齢差が大きくなるとてんかんリスクが増加し、父親が母親よりも15歳以上年上で、そのリスクは最も高かった(調整HR:1.28、95%CI:1.16~1.41)。
・両親の年齢差を考慮した際、母親の年齢とは対照的に、父親の年齢は子供のてんかんリスクに関連する独立因子ではなかった(p=0.1418)。
・母親の年齢および両親の年齢差との関連は、てんかんのサブタイプにおいて不変であり、てんかん発症年齢により修正されたが、その影響は子供の生後10年間において最も顕著であった。
著者らは「母親の年齢および両親の年齢差は、父親の年齢と無関係に、子供のてんかんリスクとの関連が認められた。本結果は、父親の年齢が高いとde novo変異が子供のてんかんリスクを高めるとの仮説を支持しなかった」としている。
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