わが国の前向きコホート研究であるJapan Collaborative Cohort(JACC)研究で、飲食物からの水分摂取量が多いと、男女共に心血管疾患(CVD)死亡リスクが低いことが示された。また、女性では虚血性脳卒中リスクも低かった。Public Health Nutrition誌オンライン版2018年8月15日号に掲載。
本研究の対象は、JACC研究に登録され、飲食物からの水分摂取量のデータが入手可能な40~79歳の男性2万2,939人および女性3万5,362人。潜在的死因は国際疾病分類に基づいた。
主な結果は以下のとおり。
・追跡期間(中央値19.1年)中に、男性1,637人および女性1,707人がCVDで死亡した。
・男女共に、水分摂取量が多いとCVD死亡リスクが低い傾向にあった。
・水分摂取量の最低五分位の参加者と比べた、最高五分位の参加者における全CVD死亡の多変数調整ハザード比[HR](95%CI)は、男性で0.88(0.72~1.07、傾向のp=0.03)、女性で0.79(0.66~0.95、傾向のp=0.10)であった。
・冠動脈疾患による死亡のHRは、男性で0.81(0.54~1.21、p=0.06)、女性で0.60(0.39~0.93、傾向のp=0.20)であった。
・女性では、虚血性脳卒中による死亡リスクの低下もみられた(HR:0.70、0.47~0.99、傾向のp=0.19)。
・男女とも、水分摂取量と出血性脳卒中による死亡率の間に関連はなかった。
(ケアネット 金沢 浩子)