人口の増加と高齢化が進展している米国には、皮膚科医療に対するアンメットニーズが存在している。したがって、皮膚科医の労働人口の特徴やパターンを特定し理解することは重要である。米国・ニューヨーク大学医学部のHao Feng氏らは、皮膚科医の経時的分布および都市部と地方部の釣り合いについて、標準化された分類表を用いて分析した。その結果、皮膚科医の地理的分布はかなり不均衡であり、経時的な拡大が示唆されることが明らかとなった。著者は、「皮膚科医の労働人口の分布を是正することが、患者のケアにとって重要である」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2018年9月5日号掲載の報告。
研究グループは、Area Health Resources Fileを用いて1995~2013年における州レベルのデータを分析し、皮膚科医の地理的分布の経時的傾向、人口統計学的因子および環境因子を評価した。
主要評価項目は、米国における現役皮膚科医人口の比率であった。
主な結果は以下のとおり。
・全国的な皮膚科医人口の比率は、1995年(3.02人/10万人)から2013年(3.65人/10万人)にかけて、21%増加した。
・都市部の皮膚科医人口の比率との差は、非大都市圏では2.63から3.06に、地方では3.41から4.03に拡大していた。
・55歳未満の皮膚科医に対する55歳以上の皮膚科医の割合は、非大都市圏および地方では75%の増加(0.32から0.56)、大都市圏では170%の増加(0.34から0.93)だった。
・皮膚科医は、物資が豊富な都市部のコミュニティに存在する傾向がみられた。
(ケアネット)