薬剤耐性てんかん患者に対するEPA、DHAの無作為化二重盲検比較試験 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/10/03 オメガ3脂肪酸(EPA、DHA)は、神経機能の維持および調整に重要な役割を果たしていると知られており、抗けいれん効果を有するとのエビデンスがある。スーダン・ハルツーム大学のFatma A. S. Ibrahim氏らは、薬物治療抵抗性てんかん患者の発作率に対するEPA、DHAの効果について検討を行った。Epilepsy & Behavior誌オンライン版2018年8月28日号の報告。 薬物治療抵抗性てんかん患者99例(5~16歳:85例、17~45歳:14例)を対象に、二重盲検ランダム化プラセボ対照臨床研究を実施した。対象患者は、DHA群33例(DHA 417.8mg+EPA 50.8mgカプセル)、EPA群33例(EPA 385.6mg+DHA 81.2mgカプセル)、プラセボ群33例(高オレイン酸ヒマワリ油)にランダムに割り付けられ、それぞれ1年間治療を継続した。主要評価項目は、発作率に対する治療効果とした。患者の1ヵ月当たりの発作回数をモデル化するため、ランダム効果負の二項分布回帰モデルを用いた。共変量(性別、年齢、研究参加時の1週間当たりの発作率、発作のタイプ、研究参加時に併用していた抗てんかん薬の数)で調整した後、発作発生率比に対する治療効果を検討した。 主な結果は以下のとおり。 ・試験を完了した患者は、59例(59.6%)であった。 ・1ヵ月当たりの平均発作回数は、EPA群で9.7±1.2回、DHA群で11.7±1.5回、プラセボ群で16.6±1.5回であった。 ・年齢、性別、発作のタイプで調整後の発作発生率比は、プラセボ群と比較し、EPA群で0.61(95%CI:0.42~0.88、p=0.008、42%減少)、DHA群で0.67(95%CI:0.46~1.0、p=0.04、39%減少)であった。 ・EPA群とDHA群の間で、発作発生率比に差は認められなかった(p=0.56)。 ・EPA群、DHA群ともに、プラセボ群と比較し、発作のない日数が有意に多かった(p<0.05)。 著者らは「EPAおよびDHAは、薬物治療抵抗性てんかん患者の発作頻度の減少に有効であることが示唆された」としている。 ■関連記事 低用量EPA+DHA、てんかん発作を抑制 治療抵抗性焦点性てんかんに対する第3世代抗てんかん薬補助療法の間接比較 難治性てんかん重積状態への有用な対処法 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Ibrahim FAS, et al. Epilepsy Behav. 2018 Aug 28. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 重症βサラセミアへのbeti-cel、89%が輸血非依存性を達成/Lancet(2024/11/25) 手術目的の入院患者の有害事象、多くは予防可能/BMJ(2024/11/25) 境界性パーソナリティ障害に非定型抗精神病薬は有効なのか〜メタ解析(2024/11/25) 非肥満2型糖尿病患者の心血管障害へのSGLT2阻害薬の効果は/京大(2024/11/25) EGFR陽性NSCLC、CRT後のオシメルチニブは日本人でも良好(LAURA)/日本肺癌学会(2024/11/25) 1日わずか5分の身体活動の追加が血圧低下に効果的(2024/11/25) 便秘は心臓病のリスクを高める?(2024/11/25) [ あわせて読みたい ] 【GET!ザ・トレンド】脳神経細胞再生を現実にする(4)(2018/08/15) 今、注目のエビデンス(2018/07/02) 第4回 特別編 覚えておきたい熱中症の基本事項【救急診療の基礎知識】(2018/07/25) 民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.2(2018/04/07) 長門流 認定内科医試験BINGO! 総合内科専門医試験エッセンシャル Vol.3(2017/06/07) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【神経内科編】(2016/12/07) 総合内科専門医試験対策 “苦手”科目をクイック復習 2016 (2016/07/29) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.4(2016/06/07) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.3(2016/05/31) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07)