大地震から4年後における青年期のPTSD有病率 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/10/08 2008年の四川大地震から4年以上経過した時点における青年期の心的外傷後ストレス障害(PTSD)の有病率とその因子について、中国・四川大学のQiaolan Liu氏らが、調査を行った。Disaster medicine and public health preparedness誌オンライン版2018年9月12日号の報告。 大地震を経験した2校の中学校の青年1,125例を対象に3年間フォローアップを行った。53ヵ月後に精神障害の診断と統計マニュアル(DSM-IV)および中国精神障害分類(CCMD-2-R)に基づく自己評価PTSD尺度をまとめ、決定因子データを収集した。決定因子の分析には、ロジスティック回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・PTSD有病率は、23.4%であった。 ・PTSDのリスク因子は、年上(オッズ比[OR]:1.52、95%信頼区間[CI]:1.20~1.92)、地震による家族の死亡または負傷(OR:1.61、95%CI:1.09~2.37)であった。 ・中等度から重度の一般的なメンタルヘルスの問題を有する青年は、PTDS症状を有する可能性が高かった(OR:3.98~17.67、すべてのp<0.05)。 ・ポジティブコーピングは、青年が年を重ねた際のPTSDの保護因子であったのに対し、自尊心は、年齢にかかわらずPTSDの保護因子であった。 著者らは「大地震を経験した青年のPTSD症状は、長期間持続するように思われる。この症状を緩和するためには、長期的な介入が必要である」としている。 ■関連記事 東日本大震災、深刻な精神状態の現状:福島医大 身体活動がPTSDに及ぼす影響 震災と精神症状、求められる「レジリエンス」の改善 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Liu Q, et al. Disaster Med Public Health Prep. 2018 Sep 12. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 PTSDやBPDにおける解離性症状と自殺傾向との関係 医療一般(2021/10/28) PTSDの悪夢やフラッシュバックに対するトリヘキシフェニジル治療の有効性 医療一般 日本発エビデンス(2021/07/07) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 60歳以上へのRSVワクチン、承認後初のシーズンの有効性/Lancet(2024/11/01) 異常降雨が全死亡リスクと関連、心血管・呼吸器疾患死亡も/BMJ(2024/11/01) 糖尿病、脳卒中合併高血圧でも積極的降圧が有効―とはいうが、COVID-19ロックダウン下の中国で大規模臨床試験を強行したことに驚き(解説:桑島巌氏)(2024/11/01) 薬物乱用頭痛に対する薬物療法の比較〜ネットワークメタ解析(2024/11/01) 骨髄線維症に10年ぶりの新薬、貧血改善が特徴/GSK(2024/11/01) お茶やベリー類など、フラボノイド摂取が認知症リスクを低下(2024/11/01) 重症の新型コロナ感染者の心臓リスクは心疾患既往者のリスクと同程度(2024/11/01) 救急外来でのChatGPTの活用は時期尚早(2024/11/01) 幸福感が脳卒中や心筋梗塞からあなたを守る(2024/11/01) [ あわせて読みたい ] トレンド・トーク『肺がん』(2024/06/11) Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) 災害対策まとめページ(2024/02/05) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17)