東日本大震災、深刻な精神状態の現状:福島医大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/07/04 東日本大震災、とくに福島第一原子力発電所の事故は、住民だけでなく救援労働者にも深刻な心理的影響を与えている。公務員はストレスの高い状況で長期的な救済に非常に有用な役割を担っているが、彼らの精神医学的な特徴については明らかになっていない。福島県立医科大学の前田 正治氏らは、診断インタビューを用い、被災地で働く公務員のうつ病やPTSDの有病率を調査し、彼らの精神状態に影響を及ぼす心理社会的要因を推測した。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2016年6月9日号の報告。 福島県の海沿いにある2つの町に勤務する公務員168人を対象に、診断インタビューと自己記入式のアンケートを実施した。 主な結果は以下のとおり。 ・公務員における現在の有病率は、うつ病で17.9%と高く、対照的にPTSDは4.8%と比較的低かった。 ・自己記入式アンケートと診断インタビューの結果から、住民からの強い苦情や怒りへの頻繁な曝露や職務への葛藤が、うつ病の高い有病率の原因と考えられる。 結果を踏まえ、著者らは「本検討により、福島で働く公務員の深刻な精神状態が明らかとなった。適切な精神医学的介入を行うために、効率的なケアネットワークの確立が急務である」としている。 関連医療ニュース 震災と精神症状、求められる「レジリエンス」の改善 東日本大震災から1年;新たな地域連携をめざして“第27回日本老年精神医学会” アジアの救急隊員はPTSD発症リスクが高い (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Maeda M, et al. Psychiatry Clin Neurosci. 2016 Jun 9. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 60歳以上へのRSVワクチン、承認後初のシーズンの有効性/Lancet(2024/11/01) 異常降雨が全死亡リスクと関連、心血管・呼吸器疾患死亡も/BMJ(2024/11/01) 糖尿病、脳卒中合併高血圧でも積極的降圧が有効―とはいうが、COVID-19ロックダウン下の中国で大規模臨床試験を強行したことに驚き(解説:桑島巌氏)(2024/11/01) 薬物乱用頭痛に対する薬物療法の比較〜ネットワークメタ解析(2024/11/01) 骨髄線維症に10年ぶりの新薬、貧血改善が特徴/GSK(2024/11/01) お茶やベリー類など、フラボノイド摂取が認知症リスクを低下(2024/11/01) 重症の新型コロナ感染者の心臓リスクは心疾患既往者のリスクと同程度(2024/11/01) 救急外来でのChatGPTの活用は時期尚早(2024/11/01) 幸福感が脳卒中や心筋梗塞からあなたを守る(2024/11/01) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)