store and forward(SAF)方式の遠隔皮膚診断(TD)は、行政・医療サービスが十分ではない集団に対して、タイムリーで高品質なケアへのアクセスが増加できると見込まれている。しかし、そうした集団におけるTDの費用対効果については明らかにされていない。今回、米国・ペンシルベニア大学のXiaoshi Yang氏らは、TDが皮膚科治療のアクセスを高めつつも、コスト削減が可能であると報告した。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2018年10月1日号掲載の報告。
研究グループは、行政・医療サービスが十分ではない集団を対象とし、大都市フィラデルフィアの市中にある12診療所において、SAF TDプログラムによるコスト削減の可能性を調べるため、外来患者700例に対するSAF TDの後ろ向き研究を行った。
かかりつけ医は、その治療計画と治療方法を特定する依頼を受けていた。また、解析では、TD診療モデルと従来ケアの各患者ケースでのコストについて比較した。
主な結果は以下のとおり。
・TDを活用することで、皮膚科の訪問受診27%(189/700例)、救急救命室(ER)への受診3.29%(23/700例)を減らすことができた。
・従来ケアと比較し、TDを活用すると、1診療当たり平均10.00~52.65ドルのコスト削減が期待できる。
・感度解析によるシュミレーションでも、コスト削減効果が示された。
なお、今回のコスト分析は、治療コストに関するいくつかの仮説に依存しており、間接的なコストは含まれていなかった。
(ケアネット)